研究課題/領域番号 |
09450320
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 則雄 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (70128099)
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研究分担者 |
酒井 剛 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (40284567)
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10274531)
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キーワード | NOxセンサ / 環境保全 / 固体電解質 / 安定化ジルコニア / 酸化物半導体 / 酸化ビスマス / スピネル型酸化物 / 電線検出方式 |
研究概要 |
本研究は、大気環境用および燃焼排ガス用の高性能NO_xセンサの開発を目指すものである。本年度は酸化物半導体をベース材料とした抵抗検出式センサおよび固体電解質を用いた電流検出式センサについての検討を行い、以下のような知見を得た。 1. 単独酸化物の中でNO選択性が比較的良好なことを見出したBi_2O_3をベース材料として用い、これに種々の第2成分を添加することにより、NO応答特性の改善を試みた。その結果、NiOを第2成分として用いた場合に最も高いNO感度と選択性が得られることがわかった。また、NiOの添加量としては5wt%が、作動温度としては300℃が最適であることが判明した。NO_x感度の濃度依存性については、NO_2に対するよりもNOに対してかなり大きな依存性が得られたため、NO選択性に優れていることがわかった。50ppmのNOに対する応答は、90%応答・回復時間ともに約1分程度と比較的良好であった。また、燃焼排ガス中に存在する種々の共存ガスの感度を調べた結果、NO感度と比べていずれもかなり小さいことがわかった。そのため、本素子は燃焼排ガス用NOセンサとして実際に使える可能性がある。 2. 安定化ジルコニアと酸化物電極を組み合わせた素子を、電流検出方式で作動させたときの高温でのNO_x検知特性を調べた。まず、検知極にPtペーストだけを用いた場合と酸化物電極としてCdCr_2O_4を用いた場合の分極曲線を500℃において測定した。その結果、Ptぺーストだけの時には、NOよりもNO_2の方が高い電流値が得られた。ところがCdCr_2O_4電極を用いた場合には、-150〜+200mVにおいてNO_2よりもNOの電流値の方が大幅に高くなることを見出した。そこで、検知極電位を+100mVに設定して、NOおよびNO_2に対する電流応答の濃度依存性を500℃において調べたところ、NO_2よりも大幅に高いNO感度が得られ、しかもNO感度は濃度にほぼ比例する応答が得られることがわかった。本素子の他ガスに対する応答は小さく、良好なNO選択性を示すため、高温燃焼排ガス用NOセンサとして使える可能性が高い。
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