研究課題/領域番号 |
09450324
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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研究分担者 |
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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キーワード | 希土類酸化物 / 超微粒子 / 逆ミセル / マイクロエマルション / 固体触媒 / 比表面積 / セリア-ジルコニア / 複合酸化物 |
研究概要 |
平成9年度は、研磨剤および自動車排ガス浄化用触媒として応用が期待されている、酸化セリウム超微粒子の作製に逆ミセル法を適用し、現時点における最小平均粒径を有し、かつ単分散性に優れた酸化セリウムの作製条件を確立することに焦点を絞り研究を行った。 硝酸セリウム水溶液を可溶化したマイクロエマルションを出発物質とし、これをアンモニア水を可溶化したマイクロエマルションと反応させることにより、酸化セリウム超微粒子の合成を行った。生成した趙微粒子の透過型電子顕微鏡観察および電子線回折から、ナノメートルサイズの酸化セリウムが確かに生成していることを明らかにした。これにより、逆ミセル法によって希土類酸化物の超微粒子を得ることに初めて成功した。 得られた各微粒子の粒径ならびに形状を透過型電子顕微鏡により観察し、生成した粒子の形態、粒子サイズおよび粒径分布幅を調べた。また、界面活性剤濃度、あるいは硝酸セリウム濃度を変化させ、これらの原料依存性、濃度依存性についても系統的に調べ、最小粒子の合成条件を明らかにした。その結果、現在までに報告された中で最小の平均粒径(2.6nm)を有する酸化セリウムの合成に成功した。 合成した微粒子粉体の配向成型体を導入した磁場中油圧成型プレスにより作製し、その焼結性について検討を加えると共に、得られた超微粉体の比表面積をBET法により測定した。その結果、凍結乾燥して得られた粉体が最も高比表面積を有し、凝集が少なく焼結もおこりやすいことを明らかにした。 さらに、研究をCeO_2-ZrO_2複合酸化物に拡張し、Ce_<Q2>Zr_<Q8>O_2微粒子を逆ミセル法によってγ-アルミナに担持した触媒の活性および耐熱性を評価したところ、共沈法により調整した触媒より高活性を維持することを見いだした。
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