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1997 年度 実績報告書

ガラス溶融体中の多価金属イオンの酸化・還元挙動に関する電気化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09450327
研究機関愛媛大学

研究代表者

前川 尚  愛媛大学, 工学部, 教授 (50000873)

研究分担者 山下 浩  愛媛大学, 工学部, 助手 (00182501)
キーワード酸化・還元平衡 / 微分パルスポルタンメトリー / 半波電位 / ガラス溶融体 / 多価金属イオン / 塩基度 / 状態別分析
研究概要

(1)酸化・還元挙動:鉄イオンの挙動については、アルカリボレート系ではアルカリ含有量が20mol%以上の時溶融温度、アルカリ含有量およびアルカリのイオン半径の増大に伴い半波電位は負電位側にシフトした。このことはFe^<3+>の増加を意味する。アルカリ含有量が20mol%より少なくなってくるとFe^<3+>は酸性酸化物としての働き以外に、塩基性酸化物としても働き、フリーのFe^<3+>の生成が示唆された。アルカリシリケート系ではアルカリ含有量の増大に伴い負電位側にシフトしたが、イオン半径については正電位側にシフトした。このことはイオン半径の小さいアルカリほどFe^<3+>とより安定なクラスターを形成できるため、アルカリイオン半径の増大に伴いFe^<2+>がFe^<3+>に対して相対的に安定化することによるためと推察された。スズイオンについては、アルカリボレート系では鉄の時と同様の傾向が見られたが、アルカリシリ-ト系ではアルカリ量の増大に伴い半波電位が正電位側にシフトし、イオン半径の増大につれて負電位側にシフトした。これらのことは、融体中のスズイオンの存在状態は、急冷ガラスのものとは異なることを示唆している。
(2)ガラス中の遷移金属イオンの状態別分析:ガラス中に存在する鉄イオンの状態分析を、湿式法並びにガラスの吸収スペクトル測定による非破壊分析法により行った。ガラスを均一な厚さに切断し、鏡面状に研磨したものの吸収スペクトルを測定し、単位厚さあたりの1030nmの吸収強度を測定した。さらにο-フェナントロリンを用いた湿式分析によりFe^<2+>量および全鉄量を求め、前述の吸収強度との関係を示す検量線を作成した。得られた検量線から、ガラス中の量を求めた結果は、湿式法のものとよく一致した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Isamu YAMAGUCHI: "^<29>SiMAS NMR Study of Porous Silica Glass Prepared from Sodium Borosilicate Glasses" J.Ceram.Soc.Jpn.105巻・8号. 700-702 (1997)

  • [文献書誌] Makoto NAKASHIMA: "Electrochemical Studies of Fe lons in Alkali Borate Melts" J.Non-Cryst.Solids. 223巻. 133-140 (1998)

  • [文献書誌] Hiroshi YAMASHITA: "Redox Equilibria of Tin lons in Alkali Borate Melts" J.Ceram.Soc.Jpn.105巻. (1998)

  • [文献書誌] Hiroshi YAMASHITA: "NMR and Raman Studies of Na_2O-P_2O_5-SiO_2 Glasses-6-coordinated Si and Basicity" J.Ceram.Soc.Jpn.105巻. (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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