研究課題/領域番号 |
09450331
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小松 満男 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029197)
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研究分担者 |
柳 日馨 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80210821)
九内 淳尭 広島大学, 工学部, 教授 (90029190)
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キーワード | ハロシラン / 含フッ素シラン / 1, 3-双様子発生 / シリレン / エーテル開環反応 / 電子輸送材料 / 機能性材料 / シクロ付加 |
研究概要 |
本年度は前年度の成果に基づき、異種反応性基を合わせもつハロシラン類の広範かつ高選択的な合成法の開拓と、合成化学への応用をさらに展開した。 1. 既に確立したクロロヒドロおよびフルオロヒドロシランの選択的合成法を発展させて、ヒドロシランと臭化銅(II)/ヨウ化銅(I)試薬との反応で各種ヒドロブロモシラン類を選択的に高収率で合成することができた。また、(ポリヒドロ)シランや(ポリヒドロ)ジシランの選択的臭素化にも成功した。 2. α-シリルアミドをトリフルオロメタンスルホナートで処理後、親双極子剤共存下、one-potでトリフルオロフェニルシランと反応させることにより、室温という温和な条件下で、1,3-双極子であるアゾメチンイリドが効率的に発生し、シクロ付加が進行することを見出した。 3. シリレン発生剤となることを期待して、ジクロロジフェニルシランとトリメチルクロロシランを出発物質とするフルオロジシランの合成法を確立した。熱分解法ではシリレン発生に至っていないが、光照射では発生が認められ、新しいシリレン源となる可能を明らかにした。 4. ヒドロシランとヨウ化アルキルのPd触媒反応で、または(ジエチルアミノ)トリメチルシランとヨウ化アルキルの反応で調製したヨードシラン試薬は、いずれもテトラヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロピラン誘導体などの環状エーテルの開環に有効で、対応するα-ヨード-ω-トリメチルシロキシ誘導体が好収率で得られた。 5. ジフルオロシランを用いることにより、数種のケイ素架橋ビチオフェン類が初めて合成できた。この化合物群は電子輸送材料としての利用が期待できる。
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