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1997 年度 実績報告書

超分子ナノリアクターによる酵素反応の制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09450332
研究機関九州大学

研究代表者

菊池 純一  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (90153056)

キーワード超分子ナノリアクター / 酵素反応制御 / 人工レセプター / ステロイドシクロファン / 合成脂質リポソーム / 超分子集合体 / 分子認識
研究概要

1.超分子ナノリアクターの基本構造体には,会合安定性に優れたいくつかのペプチド脂質を合成し,これらの水中での自己組織化により形成されるリポソームタイプの二分子膜ベシクルを調製して用いた。
2.ナノリアクターとしての脂質リポソームに,酵素活性を保持したまま固定化できる酵素と脂質の組み合わせを種々探索し,その一つとして,NADH依存性の酸化還元酵素である乳酸脱水素酵素とカチオン性ペプチド脂質の組み合せが適していることを見い出した。
3.一方,ナノリアクターに酵素活性制御能を賦与するために,胆汁酸,アミノ酸,シクロファンの3種の分子認識素子を組み合わせたステロイドシクロファンを合成し,これをナノリアクターに組み込んだ。この超分子集合体のキャラクタリゼーションには,示差走査熱量分析をはじめ種々の物理的測定法を用いた。その結果,ステロイドシクロファンは人工レセプターとして優れた分子認識能を発現することがわかった。
4.ペプチド脂質,ステロイドシクロファン,乳酸脱水素酵素から構成される超分子ナノリアクターについて,ピルビン酸から乳酸への還元反応活性を評価したところ,ステロイドシクロファンの分子認識能とその応答機能にもとづいて,酵素活性を制御できることが明らかになった。
5.今後は,この超分子ナノリアクターのシグナルリガンドである有機ゲストと金属イオンの組み合せを変えることで,酵素活性を自在にコントロール出来るインテリジェントナノリアクターヘの展開が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Hisaeda: "Preparation of Artificial Glycolipids and Their Aggregation Behavior in Aqueous Media" Tetrahedron Lett.38巻38号. 6713-6716 (1997)

  • [文献書誌] J.Kikuchi: "Characterization of Three-dimensionally Extended Hydrophobic Cavities. Difference in Molecular Recognition Ability between Steroid and Octopus Cyclophanes" J.Phys.Org.Chem.10巻5号. 351-357 (1997)

  • [文献書誌] J.Kikuchi: "Steroid Cyclophanes as Artificial Cell-surface Receptors. Molecular Recognition and Its Consequence in Signal Transduction Behavior" J.Incl.Phenom.(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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