• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

マンガン錯体からの電子移動による新しいラジカル発生法の開発とその有機合成への利用

研究課題

研究課題/領域番号 09450341
研究機関京都大学

研究代表者

大嶌 幸一郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)

研究分担者 忍久保 洋  京都大学, 工学研究科, 助手 (50281100)
キーワードマンガンアート錯体 / 一電子移動 / ラジカル環化 / グリニャ-ル反応剤 / 1,3-ジハロプロペン
研究概要

マンガン錯体からの電子移動を用いる新しいラジカル発生法とその有機合成への利用について交付申請書に記載した研究計画に従って研究を行い次の3つの成果を得た。
1.マンガン塩触媒を用いるアリル2-ヨードフェニルエーテル類の環化
アリル2-ヨードフェニルエーテル誘導体に、3当量のn-BuLiと1当量の塩化マンガンから調製したアート錯体型マンガン反応剤を作用させるとベンゾフラン誘導体が収率74%で得られた。n-BuLiの代わりにn-BuMgBrから調製した反応剤を用いても反応は同様に進行する。まずマンガンアート錯体から基質に一電子移動が起こり、アリールラジカルが生成する。このものが分子内ラジカル環化したところでマンガンからもう一電子移動が起こる。最後にデヒドロマンガン化が起こりベンゾフラン誘導体を与えたものと考えている。
2.塩化鉄を触媒とする2-ヨードエタナ-ルアルケニルアセタールの環化
1で述べた反応においてマンガンアート錯体の代わりに塩化鉄触媒共存下にグリニャ-ル反応剤を作用させるとマンガナ-トの場合と同様に環化反応が進行することを見いだした。鉄のアート錯体からの一電子移動によるラジカルの生成、ラジカルの環化、鉄錯体との再結合という機構で進行する。
3.1,3-ジハロプロペンとマンガンアート錯体の反応
1,3-ジハロプロペンとトリアルキルマンガナ-トの反応において、マンガン-ハロゲン交換が起こり、アリルマンガンアート錯体が生成し、さらにアリル転位を経た後、マンガン上のアルキル基が隣接炭素上へ転位しながらもうひとつのハロゲンを追い出すことを見いだした。こうして生成したアリルマンガン種はアルデヒドなどの求電子剤によって収率よく捕促することができることも明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] R.Inoue: "Radical Cyclization of Allyl 2-Iodophenyl Ether,N,N-Diallyl-2-iodoaniline,and 2-Iodoethanal Acetal by Means of Trialkylmanganate (II)" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 70(9). 2039-2049 (1997)

  • [文献書誌] Y.Hayashi: "Intramolecular Radical Cyclization of 2-Haloethanal Allyl Acetal and Allyl 2-Halophenyl Ether with a Grignard Reagent" Tetrahedrn Lett.,. 39(1). 63-66 (1998)

  • [文献書誌] H.Kakiya: "Reaction of 1,3-Dihalopropene with Trialkylmanganate" Chem.Lett.,. 1998(1). 73-74 (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi