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1998 年度 実績報告書

マンガン錯体からの電子移動による新しいラジカル発生法の開発とその有機合成への利用

研究課題

研究課題/領域番号 09450341
研究機関京都大学

研究代表者

大嶌 幸一朗  京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)

研究分担者 忍久保 洋  京都大学, 工学研究科, 助手 (50281100)
キーワードマンガンアート錯体 / 一電子移動 / ラジカル環化 / 低原子価金属 / アリル化
研究概要

マンガン錯体からの電子移動を用いる新しいラジカル発生法とその有機合成への利用について交付申請書に記載した研究計画に従って研究を行い次の2つの成果を得た。
1. 高活性低原子価マンガン種の新規調製法の開拓
金属マンガンはその表面に酸化皮膜があるため還元力がほとんどなく、現在までほとんど有機合成に利用されていなかった。しかし、本研究では塩化マンガンの塩化リチウム錯体を金属マグネシウムによって還元することにより、高活性零価マンガン種が生成することを新たに見いだした。さらに、この高活性低原子価マンガン化合物がヨードアルケン類のラジカル環化反応に非常に有効であることが明らがとなった。この反応を利用して5員環ラクトン類の合成に展開することができた。また、この高活性零価マンガン種は従来のラジカル反応では比較的困難であったタンデムラジカル環化反応に有効であることを見いだし、ビシクロ化合物を効率的に合成することができた。
2. マンガナート反応剤によるアリルエーテルからのアリルマンガン種の生成反応
トリアルキルマンガンアート錯体による2-ヨードフェニルアリルエーテルの電子移動型のラジカル反応については既に報告している。今回、トリアルキルマンガンアート錯体にジアリルエーテルを作用させるとアリルマンガン種が生成することを見いだした。さらにアリルエーテルとしてアリルアルコールのテトラヒドロピラニルエーテルを用いると、骨格変換反応が起こり、アリル基が導入された1.5-ジオールが生成することが明らかとなった。この反応はテトラヒドロフラニルエーテルにも応用可能であることが分かった。また、この反応系にHMPAを添加すると、生成物の収率が向上することも明らかになった。反応はまずマンガンアート錯体から基質への電子移動によってラジカル中間体が生じ、これがマンガンアート錯体によりさらに還元されてアリルマンガン種が生じるものと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] J.Tang: "New Method for the preparation of an Active Manganese Species and its Use for Radical Cyclization Reactions" Synletl. 1998 (10). 1075-1076 (1998)

  • [文献書誌] J.Tang: "A New Strategy for the Preparation of an Active Mn(0) andits Use for Radical Cyclization Reactions" Tetrahedron. 55 (9). 1893-1904 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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