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1999 年度 実績報告書

マンガン錯体からの電子移動による新しいラジカル発生法の開発とその有機合成への利用

研究課題

研究課題/領域番号 09450341
研究機関京都大学

研究代表者

大嶌 幸一郎  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00111922)

研究分担者 忍久保 洋  京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50281100)
キーワードマンガンアート錯体 / 一電子移動 / ラジカル環化 / gem-ジブロモアルカン / アリル化
研究概要

マンガン錯体からの電子移動を用いる新しいラジカル発生法とその有機合成への利用について交付申請書に記載した研究計画に従って研究を行い次の2つの成果を得た。
1.マンガンアート錯体の有機合成への利用
種々のアルキルマンガン種の中から特にトリアルキルマンガンアート錯体をとりあげ、その有機合成への利用について検討した。反応は三つのタイプに分類することができる。ひとつは、マンガンアート錯体によるgem-ジブロモシクロプロパンのジアルキル化あるいはジブロモメチルシランからの(E)-型ビニルシランの合成である。二つ目の反応はトリアルキルマンガナートからの一電子移動を起点とする種々のラジカル環化反応の開拓である。Α-ヨードエタナールのアリルアセタール類にトリブチルマンガナートを作用させるとラクトールのアルキルエーテルが得られる。第三のタイプの反応はアセチレン結合に対するアリルマンガン化である。反応はsyn付加で進行する。こうした反応について二つの総合論文にまとめた。
2.アリルアルコールのピラニルエーテルの7-オクテン-1,5-ジオールへの変換反応
アリルアルコールのTHPエーテルにアルゴン雰囲気下0℃でトリブチルマンガナートを作用させると7-オクテン-1,5-ジオールが84%の収率で得られた。THPエーテルの代わりにTHFエーテルを用いても同様の反応が進行し、6-ヘプテン-1,4-ジオールが70%の収率で得られた。さらにこれらの反応は塩化マンガンの量を触媒量に減じても収率よく進行することを見いだした。反応は途中にアリルマンガン種とラクトールのマグネシウム塩が生成し、これらが再結合することによって進行するものと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 忍久保洋,大嶌幸一郎: "有機マンガン化合物を用いる有機合成反応の開拓"有機合成化学協会誌. 57(1). 27-37 (1999)

  • [文献書誌] Koichiro Oshima: "Use of organomanganese reagents in organic synthesis"Journal of Organometallic Chemistry. 575. 1-20 (1999)

  • [文献書誌] T.Nishikawa: "Transformation of tetrahydropyranyl ether of allylie alcohol into 7-octene-1.5-diol by means of trialkyl manganate"Tetrahedron Letters. 40(21). 6613-6616 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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