研究課題/領域番号 |
09450345
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横田 和明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001217)
|
研究分担者 |
橋本 久穂 苫小牧工業高等専門学校, 助教授 (70180833)
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291235)
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
|
キーワード | 環化共重合 / 不斉重合 / キラルテンプレート / 主鎖不斉 / キラル二連子 / キラル四連子 / キラルビニルポリマー / 光学活性ポリマー |
研究概要 |
1.高分子鎖中のモノマー単位の配列によるキラル発現 高分子の連鎖がキラルになる最小の構造単位として二連子A-Aがラセモになり、B-A-A-Bのように連鎖中で孤立するとキラルな構造単位になる。また、Aの孤立四連子B-A-A-A-A-Bもメソとラセモの組み合わせによってはキラルな構造になる。これらキラルな連鎖の形成を環化共重合法で検討した。 2.キラルテンプレートを用いる不斉環化共重合によるキラルな孤立二連子の形成 キラルなジオールから誘導したビス(p-ビニルベンゾエ-ト)モノマーおよびビスメタクリロイルモノマー(M_1)とスチレン(M_2)とを共重合し、生成したコポリマーからテンプレートを除去してポリ(メチルp-ビニルベンゾエ-ト-co-スチレン)およびポリ(メチルメタクリレート-co-スチレン)を得た。これらコポリマーは光学活性であり、コモノマーM_2が多いほど比旋光度の値が大きくなり、孤立M_1ユニット、すなわちキラルなA-A二連子がキラリティーの発生源であった。 3.キラルな孤立四連子の形成による不斉発現 D-マンニトールをテンプレートとするビスメタクリロイルモノマーとスチレンとの環化共重合から得られたポリ(メチルメタクリレート-co-スチレン)は、コポリマー中のM_1の割合が大きくなるほど比旋光度が大きくなった。このことは、新たなキラリティーがM_1二連子もしくは三連子に由来することを示唆する。Aの孤立四連子B-A-A-A-A-Bでは両端のコモノマーユニットの立体配置に関係なく、mrm、mrr、rrrのタクチック四連子はキラルになり、これに基づくキラル発現であることをコポリマーのタクチシティーの解析から確認した。
|