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1997 年度 実績報告書

エキシマー状態を利用した光応答性システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 09450348
研究機関静岡大学

研究代表者

板垣 秀幸  静岡大学, 教育学部, 助教授 (10159824)

研究分担者 近江谷 克裕  静岡大学, 教育学部, 助教授 (20223951)
澤渡 千枝  静岡大学, 教育学部, 助教授 (70196319)
キーワードエキシマー / 蛍光 / 光応答性 / クラウンエーテル / イオン輸送 / 分子サイズ選択性 / 金属錯体 / 光スイッチ
研究概要

両末端にピレニル(Py)基を有するオリゴオキシエチレン化合物(PIC)は、光励起すると両末端のPy基間でエキシマーが形成されるため、一時的に環状構造をとりクラウンエーテル的な挙動を示し、溶液中において金属イオンの捕捉効率が増加する、という我々が提出した「光応答性クラウンエーテル」の概念を確認することに成功した。環化構造のとりやすさを明確にするために、両末端Py基間の鎖部分の長さが異なる8種類のPICを合成し、分子内エキシマー形成速度をシングルフォトンカウンティング法で測定したところ、Py基とオキシエチレン鎖の間のメチレン鎖が短く、オキシエチレン単位が小さいPICほど環化しやすいことがわかったが、PICのアセトニトリル溶液中で、エキシマー形成効率の金属イオン濃度依存性を調べたところ、金属イオンのイオン半径とPICの鎖長に明確な相関があることから、PICの金属イオン捕捉能力に選択性のあることがわかった。尚、この実験を通して、エキシマー蛍光自体の減衰は50nsの寿命をもち、通常ではせいぜい0.5ns以下にすぎない環化状態の存在時間が大幅に増大することも確認された。実際、励起されて生成したクラウンエーテル型コンフォメーションは、100ns後でも16%、200ns後でも3%存在することが確認された。こうした結果を踏まえ、本年度は、光照射の有無におけるカルシウムイオンの輸送について調べた。仕切セルを用いて、PICを溶解したクロロホルム溶液が濃厚なカルシウムイオン水溶液と純水に面するようにして、純水部分のイオン濃度の変化を原子吸光分析で定量化することによって、イオンの輸送を調べたところ、暗時には認められなかったイオン輸送が、紫外光を照射すると、照射時間に依存して、移動したカルシウムイオン濃度の増加を確認することができた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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