研究課題/領域番号 |
09450349
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡田 鉦彦 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023103)
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研究分担者 |
野村 信嘉 名古屋大学, 農学部, 助手 (70291408)
青井 啓悟 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30222467)
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キーワード | 糖ペプチド / デンドリマー / リビング重合 / 開環重合 / 糖鎖高分子 / ブロック共重合体 / 分子認識 / 核酸(DNA) |
研究概要 |
以下の各種の糖ペプチド型シュガーボールを新規に合成し、細胞認識機能などの機能評価を計画に従って遂行し、糖ペプチド型シュガーボールが優れた機能をもつことを明らかにした。 (A) 糖ペプチド型シュガーボールの精密合成法の確立 ポリ(トリメチレンイミン)デンドリマーを用いたアミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)の開環重合により、目的のシュガーボールが構造が規制されたデンドリマー・リビング重合体複合体として合成できることを示した。ポリ(アミドアミン)デンドリマーを用いて、グルコースおよびN-アセチル-D-グルコサミン誘導体置換セリンNCAのリビング開環重合を検討し、糖ペプチド型シュガーボールを合成した。 (B) 放射成長重合(RGP)における重合加速効果の解析 球状分子開始剤系を用いた糖置換NCAのリビング開環重合において確認された加速現象が、普遍的に他の球状開始剤系およびモノマー系でも起こりうる新現象であるかを明らかにするための手順として、ポリ(トリメチレンイミン)デンドリマーを用いた速度論的解析を^1H NMRを用いた直接測定により行なった。また、サルコシンNCAモノマーの重合を行い、糖部分の影響の有無を調べた。興味深いことに、この加速現象は糖には影響されず、普遍性が認められた。シュガーボールの研究をもとに、他の触媒開発などの糸口となる有用な知見が得られた。 (C) ペプチド型シュガーボールのバイオ新素材としての機能評価 糖ペプチド型シュガーボールの骨格のポリ(アミドアミン)デンドリマーの形態を原子間力顕微鏡で直接観察した。雲母表面上では表面力が働き偏球状構造をとることが判明した。8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸マグネシウム(ANS)およびクマシブリリアントブルーなどの低分子蛍光物質の糖ペプチド型シュガーボールへのカプセル化を行った。糖置換NCA重合前後で低分子の添加を検討した。糖を置換した後では、低分子化合物をカプセル内に入れることはできなかったが、低分子化合物存在下で糖を導入することによりカプセル化が達成できた。糖ペプチド型シュガーボールのカプセルは外殻の糖ペプチド層により内容物をブロックしていることが分かった。
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