研究課題/領域番号 |
09450365
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 政雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70214400)
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研究分担者 |
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90198309)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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キーワード | ポリサイラミン / 相転移 / ハイドロゲル / ゴム弾性転移 / テレケリックス / 弾性率 |
研究概要 |
新しい信号応答性ゲルを調製するにあたって、平成10年度は前年度までに得られているポリサイラミンゲルの信号応答特性を追究するとともに、側鎖にアミノ基を有する側鎖型材料を合成し、その信号応答特性に関して比較検討を行った。 i) ポリサイラミンのプロトン化度とガラス転位点:ポリサイラミンのガラス転位点を様々なプロトン化度に対して測定し、プロトン化度50%の点でガラス転位点が著しく上昇することを見いだした。 ii) ポリサイラミンハイドロゲルの弾性率測定:種々のプロトン化度に対応した膨潤度とともに、膨潤ゲルの弾性率を測定した。ハイドロゲルではプロトン化度50%付近で体積相転移し、10倍以上に膨らむとともの、弾性率が一桁上昇した。これは通常の信号応答性ハイドロゲルが、含水して膨らむとともに柔らがくなるのに対し、全く反対の挙動を示す、初めての例である。 iii) 側鎖型信号応答性ポリマー及びゲルの調製:3級アミノ基を側鎖に有するポリマーとして、種々ポリメタクリル酸ジアルキルアミノエチル及びポリアクリルアミドジアルキルアミノプ口ピルを合成した。これらpH応答性材料のハイドロゲル特性調製として、電子線架橋を行ったところ、極めて高感度で3次元架橋化が進むことを見いだした。これは電子線に対するアミノ基非共有電子対の高い反応性に起因することが結論づけられた。これら材科の主鎖信号応答型材料との比較に関してさらに検討を進める予定である。
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