研究概要 |
宇宙環境下で、集中太陽エネルギーを利用したエネルギー変換に関する研究を行う場合,高温発生部が集人工衛星の姿勢制御などの外部擾乱により時間的に空間位置が変動し、μ-g環境の実現の上で大きな問題となっていた.そこで本研究では,放物面太陽集光鏡の焦点に光ファイバーを設置して,高密度太陽エネルギーを光ファイバー伝送することにより,任意の場所で、外部擾乱から隔離した状態で高温度領域における太陽エネルギー変換・利用が可能なシステムの開発を目的としている.さらにこのシステムを利用して,太陽光励起レーザ発振やSi製造などのソーラーケミストリーに関する研究の基礎に関する研究を行う.本年度は放物面集光鏡と光ファイバーにより太陽光を高密度化することが可能なシステムを構築することを目的に研究を行った. 放物面鏡は口径0.7m,焦点距離700mmで太陽光を自動で追尾できるようにしている.放物面鏡により太陽エネルギー密度は約35000倍に高められる.光ファイバーは最大取り込み角12°で直径1mmの光ファイバーを400本束ねてファイバー束径18mmとしたものを採用した.放物面太陽集光器,光ファイバーを組み合わせた高密度太陽光伝送実験で行った結果,光ファイバーの出射端でのファイバー束の作製の悪さにより太陽光が出射端の手前で発散して十分な出力が得られないことが分かった.今後,ファイバーを調整し直して,この高密度太陽光伝送システムの再評価を行った後に微小重力下での高温炉の製作・試験に関する研究を行う.
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