研究概要 |
実験 昨年度完成した,翼フラッタおよびPIV実験風洞を用いて以下の実験を行った. 1. 亜音速流中の翼フラッタ計測し,音波で抑止するシステムを完成した. 2. アルミ製平板翼(翼弦長50mm,翼幅139.5mm,厚み1mm)で第1次曲げねじり連成フラッタを発生させ,143m/s,118Hzのフラッタ限界を測定した. 3. 同上平板翼に対して,音波による抑止実験を行った.ねじり振動を抑止音波の基本波とした場合には,フラッタの発生前のねじり振動振幅が抑止なしの場合より半分程度に抑えられる.今後,曲げ振動を基本波とする抑止実験を行い,さらに抑止効果を検討する. 4. 自己相関解析可能な1画面2重露光PIV測定システムを完成させた. 5. そのPIVシステムで,100m/sの一様流・流入速度87.5m/sの二重円弧翼(翼弦長50mm迎え角0,そり0,厚み20%)周りの速度場・流入速度75m/s円柱(直径20mmでレイノルズ数=100,000)周りの速度場を2重露光画像による自己相関解析によって測定した. 理論計算および実験値との比較 1. 前年度求めた非失速フラッタ限界理論計算予測値118m/s,160Hzを基に,アクチュエータの最適抑止条件と必要膜面変位量を算出して,フラッタ抑止実験装置の設計を行った.なお,予測したフラッタ限界(118m/s,160Hz)と実験値(143m/s,118Hz)が異なるため,再度,実験によって求めた翼の1次曲げねじり固有振動数と減衰係数を計算条件として,フラッタ最適抑止条件の算出を行ったが,フラッタが生じない計算結果となった.これは,プログラムが剥離無しのポテンシャル流れを仮定しており,実験では極めて剥離しやすい平板翼であるためであると思われる.今後,非定常空気力算出に剥離を考慮できるN-Sコードを用いて抑止条件の算出を行い確認する必要がある. 2. PIV計測では,定常円弧翼周りの速度場を定量的に比較し,有限要素法によるポテンシャル流れ場数値計算プログラムの妥当性を検討した.
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