研究概要 |
本研究で以下の成果を得た. 翼列フラッタに関する成果: ● 流速100-200m/s,持続時間約4分で翼列フラッタ計測・制御が行える亜音速風洞実験システムを新しく製作した。 ● アルミ平板翼139.5×50×1mm(片側固定)の曲げ1次ねじり1次連成フラッタ限界は、143m/s,118Hzである.一方非失速条件による理論予測は,123m/s,165Hzとなる.この違いは実験翼の節弦比が大きく剥離を生じたためと考えられる. ● 上記のフラッタ限界計算結果と実験値(固有振動数と減衰係数)より算出した最適な抑止条件は,アクチュエータの位置はx_c=0(アクチュエータ中心と翼弦中央が一致)で,アクチュエータの曲げ振動に対する振幅比(Amplitude)及び位相差(Phase)は0.14,及び-54℃であった。 ● 曲げ振動をアクチュエータ作動の基本波として抑止を行ったところ,翼の振動振幅が位相差90度で抑制,位相差270度で増幅した.また,フラッタ限界も約7%変化した.(なお,位相差は40Hzで遅れ時間を換算) PIVに関する成果: ● 光源Double Pulsed Nd:YAG Laser,受光部Kodak CCD Cameraを用いて100-200m/s持続時間約4分でPIV計測が行える亜音速風洞実験システムを新しく製作した. ● 一様流100m/sの速度ベクトルを2.5%誤差で測定した. ● 二重円弧翼(厚み20%,迎え角,そり0,流入速度87m/s)周りの定常流れ場の速度分布を非粘性FEM解析結果と比較した.最大流速で約6%程度の違いがあるものの,翼後流の剥離を捕らえたことを考慮すれば,十分精度のある測定が行えた. ● 円柱周り(レイノルズ数1.0×10^5)の非定常流れ場を定性的に可視化し後流過の変化の様子を捕らえた.
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