| 研究課題/領域番号 |
09450380
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
恒川 昌美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40002026)
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| 研究分担者 |
広吉 直樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50250486)
平島 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00175556)
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| キーワード | 黄銅鉱 / 石炭ズリ / 鉄酸化細菌 / 鉱滓堆積場 / 炭酸カルシウム / ドデシル硫酸ナトリウム / 石灰 |
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| 研究概要 |
鉱山や炭鉱の開発に伴い、硫化鉱を含む岩盤中の浸透水や坑水から重金属を含む酸性汚濁水が発生するようになる。この汚濁水は操業中および休閉山後も継続して処理する必要がある。そのため、これら酸性汚濁水の発生を防止し、汚染土壌を復元することは、国際的にも重要な課題となっている。この有効な防止・復元技術を確立するためには、酸性汚濁水の発生機構を十分に解明する必要がある。そこで一昨年度および昨年度は、汚濁水発生の主な要因とされている黄鉄鉱の酸性環境下での溶解機構について調べ、それに対する微生物の関与についても検討した。また、黄鉄鉱の酸化溶解が腐食物質により抑制される現象を見出し、その機構を明らかにした。本年度は、黄銅鉱の酸化浸出機構について調べるとともに、対象を石炭鉱山にも広げ、高硫黄石炭ずりからの汚濁水発生機構の解明とその防止について研究した。また、金属鉱山鉱滓堆積場での現地調査を行い、長期間経過後の堆積場の実態把握に努めた。主な成果は、以下のようである。
1) 常温、大気下にある硫酸溶液中においては、黄銅鉱の侵出は鉄(III)より鉄(II)により促進された。これは十分な濃度の銅(II)や鉄(II)の存在下では、黄銅鉱が還元されて反応中間体Cu_2Sが生成し、溶存酸素や鉄(III)によるこの酸化速度が黄銅鉱より高いことによる。
2) 高硫黄石炭ずり中に棲息する鉄酸化細菌の増殖および鉄酸化活性はラウリル硫酸ナトリウム(SDS)により阻害されるが、石炭ずりの中の可溶性鉄分のため、侵出水中の鉄濃度を大幅に低減させることはできなかった。
3) 高硫黄石炭ずりからの可溶性鉄分の溶出は、石灰、炭酸カルシウム、ライムケーキを添加することで抑制することができた。
4) 鉱滓堆積場で鉛直方向に採取した試料について逐次酸溶解分析法およびX線解析法により検討し、鉱物および微量重金属の鉛直分布を調べ、これらと浸透水中の重金属濃度との関係を明らかにした。
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