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1998 年度 実績報告書

石油増回収のための油層内微生物増殖法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 09450381
研究機関東北大学

研究代表者

千田 佶  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005499)

研究分担者 須藤 孝一  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90291252)
新堀 雄一  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90180562)
キーワードMEOR / 移動現象 / 数学モデル / 石油貯留層 / 増殖 / クロッグ
研究概要

本研究では,石油増回収のための油層内微生物増殖法の確立を目的とし,その基礎段階として擬似油層を用いた室内実験および数値解析を行い,以下の知見を得た。
1.昨年度に作成した二次元充填層を使用し,栄養塩および微生物の移動についての室内実験を行った。その際に,流量,流速および菌体濃度などの諸条件を変化させ,基礎データの収集につとめた。得られたデータを用いて,栄養塩および微生物の移動を表す数学モデルを作成し,評価を行った。検証の結果,本モデルにより,二次元多孔質帯における栄養塩および微生物の移動は,物質移動に寄与する移流と混合の割合を表すペクレ数,密度差による対流の効果を表すレイリー数および微生物のクロッグ現象を表す係数を定義することにより十分表しうることが認められた。
2.上記の数学モデルを用いて,二次元空間において浸透率に分布が存在,かつ微生物のクロッグ現象により浸透率が変化することを想定し,ケーススタディを行った。浸透率の分布は垂直方向のみに存在する(実際の油層と同様の傾向)とした。また,浸透率の時間的かつ空間的変化は,コゼニー・カーマンの式から求めた。その結果,わずかな浸透率の違いにより,栄養塩および微生物の濃度分布に大きな差があることが認められた。
3.通性嫌気性細菌である乳酸菌(Lactobacillus casei,ATCCl5883)を用いて,充填層における増殖実験を行った。充填層としては,上述の二次元充填層ではなく一次元のものを使用した。その結果,通常の液体培養よりも大きな増殖速度が得られた。その速度は,充填物の粒径が不さいほど大きくなることが認められた。
4.数学モデルに微生物の増殖項を加え,新たな数学モデルを作成した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 楊延国 他: "MEORにおける栄養塩移動についての室内実験および数値解析" 石油技術協会誌. 63・3. 229-238 (1998)

  • [文献書誌] 千田佶・井上千弘: "海洋油汚染の微生物処理 その1" 石油技術協会誌. 63・4. 315-318 (1998)

  • [文献書誌] 千田佶・井上千弘: "海洋油汚染の微生物処理 その2" 石油技術協会誌. 63・5. 442-446 (1998)

  • [文献書誌] 千田佶・井上千弘: "海洋油汚染の微生物処理 その3" 石油技術協会誌. 63・6. 547-550 (1998)

  • [文献書誌] 楊延国 他: "多孔質内の微生物の移動に及すクロッグ現象の影響" 平成9年度石油技術協会春季大会講演要旨集. 134 (1997)

  • [文献書誌] 楊延国 他: "MEORにおける微生物および栄養塩の移動に及す浸透率分布の影響" 平成10年度石油技術協会春季大会講演要旨集. 169 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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