研究課題/領域番号 |
09450385
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 祐行 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90037755)
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研究分担者 |
杉山 弘 共栄化成工業株式会社, 取締役社長(研究相当)
加藤 英治 協和科学株式会社, 技術部長(研究相当)
古山 隆 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90284546)
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キーワード | 廃水処理 / ヘテロ凝集現象 / 蛍石 / ぜータ電位 / 微粒子 |
研究概要 |
鉱山や工場から排出される廃水には、表面電位の一種であるゼータ電位が負を示す懸濁固形物が多く含まれていることから、正のゼータ電位を持つ蛍石を廃水に加えると、静電気的な引力が作用し、高分子凝集剤や無機凝集剤を用いずに懸濁物間で凝集が起こると考えられる。この現象を利用して廃水処理を行うと、沈殿物の構造が密になって水分も蒸発しやすいことから後処理が簡単になることが予想される。そこで本研究では、懸濁液中の粒子(懸濁粒子)の凝集現象について定量的な理論を確立するために、蒸留水中でゼータ電位の符号が異なる石英と蛍石を試料として用いて懸濁粒子の凝集現象を表示する方法について検討した。そしてこの表示法を用いて、懸濁粒子の凝集現象および凝集機構をゼータ電位との関連から考察し、さらに、得られた研究結果を参考にし、蛍石のへテロ凝集現象を利用した廃水処理法を提案している。 本年度は前年度に引き続き、粘土鉱物、有機化合物および微生物を含む廃水を用い、蛍石の固形凝集剤としての効果を調べる実験を行い、本研究の成果発表を権威のある国際学会にて発表を行った。また、本年度が研究費補助金交付の最終年度であることから、これまでに得られた実験結果をまとめて研究成果報告書を印刷し、配布した。
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