研究概要 |
〈電解質水溶液付着量と静電挙動の関係〉 絶縁性試料として石英およびアルミナを使用し,界面活性剤処理+電解質水溶液噴霧の2段前処理に関して,(1)噴霧の際の試料受け皿の種類,(2)噴霧高さ,(3)噴霧時間,(4)界面活性剤濃度,(5)噴霧後の乾燥時間を変化させてそれぞれの最適条件を求めた.また,各種条件における試料表面への付着水分量を測定し,それと静電選別挙動を比較することにより,上記最適条件が選別機へのフィード直前の付着水分量によって規定できることをつきとめた.また,石英およびアルミナの比表面積値がほとんど同じであったため,両者の最適条件はほぼ同様の付着水分量で達成されることも確認できた. 〈静電選別における粒子軌道のシミュレーション〉 電荷重畳法を利用して静電式静電選別場における電界強度分布を模擬することを,昨年度より高精度で実現することができた.これは設定電荷位置および数を変更したことによるものである.また,試料粒子を完全導体球と仮定してそのロール表面上での帯電量を求め,これに重力,摩擦力,遠心力,空気抵抗力を考慮して静電選別挙動(電場内軌道)シミュレーションプログラムを作成した.実際の粒子は,完全導体でないあるいは不規則形状をしている等の理由によりその飛距離は実験値と異なるため,電荷係数なる値を用いて補正を行うこととした.基本的にこの係数は試料固有のものであり,この値の大きさによって各試料の静電選別挙動特性を知ることができる.これにより静電電極を使用した際の静電選別挙動シミュレーションをほぼ完成することができたと言える.
|