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1999 年度 実績報告書

植物由来のホルモン様ペプチド遺伝子導入による植物の胚形成・再分化の効率化

研究課題

研究課題/領域番号 09460005
研究機関横浜市立大学

研究代表者

平野 久  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (00275075)

研究分担者 佐々 英徳  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (50295507)
キーワード植物ホルモン様ペプチド / レグインスリン / 遺伝子導入 / 形質転換 / ニンジン
研究概要

レグインスリンは、レグインスリン結合蛋白質のリン酸化活性の亢進し、培養植物細胞の分化や胚形成、ならびに細胞分裂に影響を及ぼすホルモン様ペプチドである。ニンジンの下胚軸切片を、センスあるいはアンチセンスレグインスリン遺伝子を導入したTiプラスミドを含むアグロバクテリウムと共存培養し、植物体を再生させた結果、培養1か月ほどでカルスが形成される下胚軸が現れ、3か月ほどで下胚軸由来のカルスから不定胚が得られ、不定胚のいくつかはシュートに成長した。成長した形質転換体を無菌状態で生育させた後、鉢上げして温室に移し、表現型の変化を解析した。しかし、intactな形質転換体の成長速度には大きな変化は見られず、外見も非形質転換体と変わりがなかった。しかし、形質転換体カルスの成長や分化の様子を詳しく調べたところ、センス遺伝子導入直後のカルスの増殖にはかなり明瞭な違いがあることがわかった。レグインスリン遺伝子を導入した系統カルスは非形質転換体と比較して、増殖速度が速く、培養3週間目には、その大きさは非形質転換体の3-4倍になっていた。この傾向は、繰り返し実験でも確認された。このことから、レグインスリンはカルスの初期成長に顕著な効果があると考えられた。
一方、レグインスリンとインスリンの機能の類似性から、インスリンのようにヒト培養細胞の分裂を促進する作用がレグインスリンにも存在する可能性があると考えられた。そこで、ヒト培養細胞に対するレグインスリンの効果をヒトインスリンを対照として調べた。その結果、レグインスリンにはインスリンほど効果的ではないが、培養細胞の分裂を促進する効果が認められた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Kawakami,T.: "Isolation and characterization of cytosolic and membranebound deubiquitinylating enzymes from bovine brain."J.Biochem.. 126. 612-623 (1999)

  • [文献書誌] Kurioka,A.: "Primary structure and possible functions of a trypsin inhibitor of Bombyx mori."Eur.J.Biochem.. 259. 120-126 (1999)

  • [文献書誌] Jianzhong,T.: "Analysis of leginsulin gene in soybean cultivar (Glycine max) and wild species (Glycine soja)."Chin J,Appl,Environ.Biol.. 5. 259-263 (1999)

  • [文献書誌] Jianzhong,T.: "Construction of expression vector for glycinin gene and its transformation to Morus alba."Sci.Seric.. 25. 5-10 (1999)

  • [文献書誌] Hirano,H.: "Two-dimensional gel electrophoresis using immobilized pH gradient tube gels."Electrophoresis. 21. 440-445 (2000)

  • [文献書誌] Kimura,Y.: "N-acetylation and proteolytic activity of the yeast 20S proteasome."J.Biol.Chem.. 275. 4635-4639 (2000)

  • [文献書誌] 高岡素子: "ダイズレグインスリン遺伝子導入によるニンジン形質転換体の作出"鎌倉女子大学紀要. (印刷中).

  • [文献書誌] 菅野純夫,平野 久: "電気泳動最新プロトコール"羊土社. 183 (1999)

  • [文献書誌] 平野 久: "プロテオミクスの基礎"講談社サイエンティフィック(印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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