研究課題/領域番号 |
09460007
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜久田 嘉郎 北海道大学, 農学部, 教授 (90001445)
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研究分担者 |
藤野 介延 北海道大学, 農学部, 助手 (80229020)
幸田 泰則 北海道大学, 農学部, 助教授 (20002355)
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キーワード | イネ / ニンジン / ソバ / アブシジン酸 / チジアズロン / アレルゲン / ストレス耐性遺伝子 / ジーントラップ |
研究概要 |
イネ、ニンジン、ジャガイモ、ソバ、その他禾本科牧草などの作物培養細胞を用いて再分化・不定芽・不定胚形成に関わる遺伝子活性について生理学的研究を行っている。これらの過程は温度、照度、浸透圧、糖濃度などの環境要因のほか、植物生長物質の関与が明白で、特異的遺伝子の発現がディファレンシャル・デスプレイによって観察された。特に、イネやニンジンの培養細胞の不定胚形成にはアブシジン酸(ABA)の関与を発見した。 このABA誘導蛋白質の一つは坑酸化酵素蛋白質(ペロキシレドキシン)で各種ストレスによるこの蛋白質、mRNAの発現を検討した結果、ABAのほかNaCl,H_2O_2乾燥、低温によっても誘導されることを発見した。 禾本科牧草の休眠芽形成を無菌条件下に観察したところ、温度、日長、浸透圧、糖濃度などの環境要因のほかABAの関与あり、特異的デヒドリン遺伝子の発現が明らかとなった。この休眠芽は草刈、越冬など不良条件のあと再生するが、そ萌芽にACCが必須であることを発見した。 またソバ胚軸カルスにチジアズロン(TDZ)を与えると不定芽が形成される。TDZは乾燥剤、除草剤であり、ABAと類似の作用を促すと考えられ、BAとABAによる不定芽形成に代用することができた。ソバ粉に対するアレルギーをもつ人々のためにソバ蛋白質のアレルゲンとなる遺伝子を抽出検討し将来はソバの改良に用いられるかも知れない。 不定胚・不定芽形成に関する遺伝子活性の追及のためにジーン・トラップ法を開発、これを作物の培養細胞の不定胚形成に応用する試みを始めている。
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