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1999 年度 実績報告書

カンショの塊根形成過程におけるスクローストランスポーターの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09460010
研究機関九州大学

研究代表者

斎藤 和幸  九州大学, 農学部, 助教授 (00215534)

キーワードカンショ / スクローストランスポーター / 遺伝子発現 / 塊根形成
研究概要

本研究はカンショにおけるスクローストランスポーター(SUT)の特に塊根形成における役割を明らかにするため,SUTの一次構造と各器官及び塊根形成過程の根における遺伝子の発現様式について検討した.
カンショの塊根より3種類のSUTのcDNA(それぞれIbSUT1,IbSUT2及びIbSUT3と名付けた)が得られた.IbSUT1,IbSUT2及びIbSUT3とジャガイモ,シロイヌナズナ及びソラマメのSUTとは,塩基レベルで60〜72%,アミノ酸レベルで58〜77%の相同性を示した.また,ゲノミックサザン分析からカンショのSUT遺伝子は少なくとも2コピーの遺伝子から成るスモールジーンファミリーを形成していると考えられた.IbSUT1,IbSUT2及びIbSUT3をプローブとしたノーザンブロット分析ではそれぞれ約3.1kb,約2.4kb及び約1.6kbの位置に一本のバンドが検出され,カンショの3種類のSUTは種類によってmRNAのサイズが異なっていた.器官別のSUTのmRNAレベルを比較すると,IbSUT1のmRNAは各器官でほぼ同レベルであった。IbSUT2のmRNAレベルは葉柄と若根で高く,葉身,葉柄及び塊根ではそれらの50%以下であった.IbSUT3のmRNAレベルは葉柄で最も高く,他の器官ではその約30%程度の発現量であった.塊根形成過程の根では,IbSUT1のmRNAレベルは期間を通じてほぼ一定であったが,IbSUT2とIbSUT3のmRNAレベルは経時的に低下した.
以上の結果より,カンショには少なくとも3種類のSUTが存在し,それらの遺伝子の発現は植物体の各器官及び塊根形成過程の根において異なっていることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Tsubone: "Enhancement of tuberous root production and adenosine 5-diphosphate pyrophosphorylase (AGPase)activity in sweet potoeo,Ipomoea batatas Lam,by exgenous injection of sucrose solution,"Joumal of Agronomy and Crop Sicence. 184(in press). (2000)

  • [文献書誌] A,Ishida: "Source activity evalutation by garfted leaves in sweet potato(Ipomea batatas Lam.)cultivars."Joumal of the faculty of Agriculture Kyushu University. 44(1・2). 73-80 (1999)

  • [文献書誌] 齋藤和幸: "カンショにおけるショ糖合成酵素の発現様式に関する研究"日本作物学会紀事. 第66巻第4号. 624-631 (1997)

  • [文献書誌] M,Tsubone: "Effect of grating on the activity of adenosine 5'-diphosphate glucose pyrophosphorylase and tuberous root producion in sweet potato(Ipomoea batatas Lam.)"fapannese Joumal of Crop Science. 66(4). 509-510 (1997)

  • [文献書誌] 矢野 拓: "カンショのスクロースシンターゼのアイソフォームに関する研究"九州大学農学部学芸雑誌. 第52第1・2号. 105-112 (1997)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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