研究概要 |
1. 増殖 (1) 組織培養により増殖したヒメサユリ子球の定植後の栽培は,15℃を中心とした比較的冷涼な温度条件下で行うとよいことがわかった. (2) 数種・品種のユリにおいて,液体培地で長期間継代培養を続けた培養細胞からの植物体再生に成功した.培養細胞からの再生は,不定芽を経由する場合と不定胚を経由する場合とが観察された.さらに,‘コネチカット・キング'の葯培養により得られた半数性カルスを長期間維持することにも成功した. 2. 育種 (1) 胚珠培養により得られたヒメサユリとタモトユリの種間雑種植物の緒形質を調査した. (2) 数種・品種のユリのカルスにアグロバクテリウムを接種したところ,gusA遺伝子の一過性発現の程度はユリの遺伝子型間で大きく異なっていた. (3) 数種のユリにおいて,低頻度ではあるが,カルスまたは懸濁培養細胞由来プロトプラストからの植物体再生が観察された. (4) アジアティックハイブリッド品種において,2,3,4倍性品種間の交雑親和性を調査した. (5) オリエンタルハイブリッド品種において,減数第1分裂中期の花粉母細胞に笑気ガスを処理することにより,非還元花粉を高率で誘導する方法を確立した
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