研究課題/領域番号 |
09460017
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
新美 芳二 新潟大学, 農学部, 教授 (20018790)
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研究分担者 |
岡崎 桂一 新潟大学, 農学部, 助教授 (20270936)
中野 優 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (00262460)
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キーワード | ほ場栽培 / マルチ / 葯培養 / ウイルスフリー / カルス懸濁培養 / コルヒチン / 千倍体 |
研究概要 |
1.ヒメサユリの子球生育は、人工恒温器(20-10℃、25-15℃、30-20℃)下では、25-15℃でよかった。ほ場で子球生長に及ぼすマルチ(イネワラ、ヘアリーベッチ)処理の効果を調べ、イネワラは夏期の地温上昇を防ぐ効果をもち、地温は対照区に比べて2〜3℃低下したが、子球生長の生長を改善しなかった。また、ヘアリーベッチは地温上昇の抑制、子球生長の改善に効果はなかった。 2.本グループで成功した'コネチカットキング'の葯培養による半数体獲得の方法が'エンチャントメント'と'カサブランカ'に適用できるかを調べた。半数性植物はいずれのユリ葯からも生産されず、'カサブランカ'の葯はカルスをほとんど形成しなかった。'エンチャントメント'の葯はカルスと小植物体を形成したが、いずれも2倍体ではあったが、その約半数の個体はELISA法でウイルスフリー個体であることが判明し、葯培養法がユリのウイルスフリー個体生産の方法となることを明らかにした。後者の結果はScientai Horticuturae(2001)に印刷中である。 3.タカサゴユリ含む8種類のユリのカルス形成と懸濁培養系の確立のための条件を調査した。カルスは1mg/lpicloramを含む培地で振盪培養すると安定して増殖すること、懸濁培養系のカルスはBAを含む固形培地で培養すると不定胚を形成することなどが明らかとなった。結果の一部はPlant Science158(2000)に発表した。 4.タモトユリとリーガルユリの種間交雑個体花粉はほとんど不稔性であり、この不稔性の回復と育種親としての利用のために4倍体の作成を試みた。常法(本グループのデータ)に従って培養した雑種個体の葉片は子球を形成した。子球から分離したりん片に0.5mMのコルヒチンを3および5日間処理すると、りん片は数個の4倍体の個体を形成した。その植物体を鉢上げして現在育成中である。
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