研究分担者 |
藤本 順子 島根農業試験場, 園芸部果樹科, 主任研究員
小豆沢 斉 島根農業試験場, 園芸部果樹科, 科長
山岸 主門 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (00284026)
浅尾 俊樹 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (30252901)
植田 尚文 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (70032571)
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研究概要 |
◯地域適応性について ハイブッシュタイプ,ラビットアイタイプのいずれも当地域での栽培が可能と思われる。樹体の生育・1樹当たりの収量は,ラビットアイタイプが優れていた。なお,雪害,晩霜害および病害はまったく認められず,虫害は極めて軽微で農薬を要しなかった。 ◯適性土壌について 新梢生育は,各品種ともに火山灰土壌が最も優れ,次いで第3紀層土壌で,花崗岩質土壌はやや劣る傾向が認められた。樹高尾樹幅の調査結果も同様な傾向が認められた。 ◯樹形仕立て法と樹体の生育について ラビットアイタイプ3品種について,1本仕立ては樹高が高く,樹幅が狭かった。3本及び5本仕立ては樹高が低く,樹幅がそれぞれ1本仕立ての3〜5倍となった。 ◯手摘み収穫作業について 収穫作業の基本動作は,「さがす」,「摘み取る」,[運んでカゴに入れる]の三つに区分された。収穫作業姿勢は,「しゃがみ」,[中腰],「立位(直立)」,「爪先立ち」など多様な姿勢が観察された。適性作業域は,100〜150cmの着果位置が好ましいと思われた。 ◯果実の力学的特性について 果実と果梗間の保持力は熟度の進行とともに減少が著しく,この部位で振動脱離しやすいことが予想された。果実の離脱振動数は,熟度が進むにつれて低くなり,振動数7.5Hz・全振幅30mmの場合,未熟果は脱離せず,適熟果が効率よく降り落とされた。樹上の結果枝における振動試験では,1果実重が1.0g以上の重い果実ほど脱離しやすく、脱離した果実中適熟果が約92%を占めた。しかし,30%の果梗付率を示したことは今後の検討課題とされた。
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