研究課題/領域番号 |
09460021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
門屋 一臣 愛媛大学, 農学部, 教授 (90036294)
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研究分担者 |
高木 敏彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40026612)
山下 研介 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041035)
井上 宏 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40035960)
石井 孝昭 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30136296)
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 教授 (60135548)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | VA菌根菌 / 菌根菌生長促進物質 / バヒアグラス / 根の活性 / 花芽分化 |
研究概要 |
カンキツの生長に果たす根系の役割を3年間にわたって研究してきた。本年度はこれまでの研究成果をもとに実践的応用の可能性を探りながら実験を展開した。すなわち香川大学 片岡郁雄と近畿大学 井上宏は露地栽培とハウス栽培のウンシュウミカンの地上部及び地下部の生長を比較するとともに、ファイトトロン内で栄養生長及び生殖生長の温度条件を検討した。宮崎大学山下研介はカイネチンが根の生長ならびに翌春の花蕾の着生に及ぼす影響を調査した。高知大学 長谷川耕二郎は土佐文旦における根の炭水化物の蓄積時期と翌春の花蕾の着生や新梢生長との関係を調べた。静岡大学 高木敏彦は水ストレスが果実の糖度代謝に及ぼす影響を究明した。愛媛大学 門屋一臣・石井孝昭は急傾斜地カンキツ園の生産力の向上には土壌の流亡防止とともに土壌の物理性の改善が必要であり、草生栽培の重要性に改めて着目した。また、VA菌根菌が感染している樹は土壌乾燥に対して強い抵抗性を示すことや、バヒアグラスの根にはVA菌根菌がよく感染することに着目し、VA菌根菌の生長を促す物質がバヒアグラスの根や数種の植物根に存在していることを究明した。すなわち、(1)VA菌根菌の禁止の生長促進にアルギン酸オリゴ糖やポリアミン類に属するプトレッシンやカダベリンが極めて有効であること、(2)プロパモカルブ塩酸塩はVA菌根菌の菌糸の生長を阻害するが菌根形成には効果的であること、(3)数種の植物根に限らずミカンジュースかすのメタノール抽出物中にも菌糸の生長を促す物質が含まれていることなどを明らかにした。今後はこれらの研究成果をもとに、VA菌根菌の人工培養への道を探索するとともに、果樹、特にカンキつ樹と共生関係にあるVA菌根菌由来の代謝物質を探求し、VA菌根菌と植物との共生メカニズムをさらに追及していくための基礎資料が得られたものと判断する。
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