Xanthomonas属細菌の非病原性遺伝子産物が植物細胞核内で果たす役割

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09460026
• 研究機関: 静岡大学
• 研究代表者: 露無 慎二 静岡大学, 農学部, 教授 (30090541)
• キーワード: カンキツかいよう病 / かいよう形成遺伝子 / 核局在性配列 / 大腸菌 / hrpクラスター / 結合長口質

研究概要

apl1遺伝子を発現ベクターに接続し、大量生産後、カラムクロマトグラフィーによりSDS-PAGE上で単一バンドになるまで精製した。この精製たんぱく質を固定化したアフィニティークロマトグラフィーを用いて、カンキツ葉より、3種のターゲットたんぱく質を純化した。2種については、N末端部がブロックされていたたが、1種については、ブロックされておらず、そのアミノ酸絵列を決定することが出来た。このアミノ酸配列のホモロジー検索により、リグニン合成に関与する酵素の一部と高い相同性を示すことが明らかになった。このアミノ酸配列をコードする混合オリゴヌクレオチドを合成し、今後本たんぱく質合成遺伝子のクローニングして、本因子の作用機構を解明する足掛かりが出来た。また、apl1遺伝子の大腸菌及びXanthomonas campestris pv.vesicatoriaのクローンにPseudomonas syringaeグループのhrpクラスターを追加形質転換すると、これらの細菌がカンキツ葉にかいよう様症状を呈するようになることを発見した。接種部位を固定、染色後、光学顕微鏡下で観察すると、カンキツかいよう病菌を接種した場合と同様な植物細胞の肥大、異常分裂が観察された。hrpクラスターのクローンを導入しないapl1単独のクローンは全くかいよう症状を呈することが出来なかった。この結果、apl1遺伝子産物が植物細胞内に入りさえすれば、核に移行して、かいよう症状を呈することができることを示すことが出来た。

研究成果

• [文献書誌] Nomura,K.et al: "Self-regulaltor of Pir,a regulatory protein respousible for hyperiuduction of pecfate lyase in E.drysauthewi" Mole.Microbe-Plant Interact.5. (1999)
• [文献書誌] Suzuki,S.et.al: "Activity of pectiases in conidia and gewlings of Blumeria gaminis and the experssion of their geves" Awn.Phytopath.Soc.Japan. (1999)
• [文献書誌] Kanamori,H.et al: "Isolation of hrp clustel from Xanthovron as caupestn pv citai and it application for RFLP avaylyees" Awn.Phytopath.Soc.Japan. (1999)
• [文献書誌] Nomura,K.et al: "The pir geve of Eroinia dnysavthemi ECI6 ragnsates hyperinduction of pectale lyase viruleuce genes in" Proc.Nat.Acad.Sci.USA.95(24). 14034-14039 (1998)
• [文献書誌] Kanamori,H.: "Conporison of nucleotile sequences of canker-forming and non-cauker forming pthA homologues in" Awn.phytopath. Soc.Japan. 64(5). 462-470 (1998)
• [文献書誌] 露無慎二: "植物病原細菌の病原性関連因子に関する分子生物学的解析" 日本植物病理学会報. 64(4). 238-240 (1998)
• [文献書誌] 久能均 他4名: "新編植物病理学概論" 養賢堂, 335 (1998)
• [文献書誌] 真山滋志: "植物と病原体α情報応答機構" 日本植物病理学会, (1998)