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1997 年度 実績報告書

カイコ硬化病菌飢餓ストレス遺伝子群の発現調節による感染メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09460033
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

清水 進  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (20187454)

キーワードカイコ / 硬化病菌 / 飢餓ストレス / 遺伝子 / 発現
研究概要

カイコ硬化病菌は機械的圧力とクチクラ分解酵素の作用によりカイコ表皮を突破する。これらの酵素群は一種のカタボライト・リィプレションとフィードバック機構によって制御されていると推定される。そこで、本年度は赤きょう病菌(Paecilomyces fumosoroseus)のPr1遺伝子(エステラーゼ様セリンプロテアーゼ)の発現状況を種々の条件下において検討した。その結果Pr1の誘導はウシ血清アルブミンにおいてわずかに認められたが、その他のタンパク質においては認められず、ゲラチンでは強い抑制が認められた。次に、各種糖添加による誘導あるいは抑制の有無を調査した。その結果、調査したすべての糖において抑制がみとめられ、その程度はN-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)添加区において対照区の0.4%に相当するプロテアーゼ活性でその抑制効果は最も顕著であった。
上記実験において強い抑制効果をもつGlcNAc添加区とグルコース添加区におけるPr1活性と糖量の経時的変化を調査した。0.3%グルコース添加区におけるグルコース濃度は時間の経過とともに減少し、11時間後には検出できなくなった。Pr1活性はグルコース濃度が0.5mg/ml以下になった7-8時間後に認められ、その後急激に上昇した。一方、0.3%GlcNAc添加区におけるGlcNAc量はグルコース区と比較した場合、穏やかに減少し、14時間後に検出できなくなった。また、GlcNAc活性も赤きょう病菌接種18時間後まで強い活性は認められなかった。以上の結果赤きょう病菌は特別な誘導物質が存在しなくても、Pr1を比較的多量に産生し、糖とくにGlcNAcにより強く抑制されることが明らかになった。In vitroにおける飢餓ストレス遺伝子の発現の様子が明らかになったので、現在PCRによる同遺伝子の増幅と染色体へのマップイングを現在行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清水 進. 吉岡 勉: "昆虫病原性糸状菌Paecilomyces fumosoroseusの細胞外プロテアーゼの産生条件" 日本蚕糸学雑誌. 66巻、5号. 357-359 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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