研究概要 |
1.光照射下における葉緑体破砕液中に出現した大サブユニット37kDa断片のC末端近傍のアミノ酸配列、そして大サブユニット16kDa断片のN末端およびその近傍のアミノ酸配列は、ヒロドキシルラジカル発生系に曝して生じた場合の大サブユニット37kDa断片、16kDa断片のそれらと完全に一致し、いずれの場合もSer-328とThr-330の間で切断されていることが明白となった。切断部位が活性中心近傍であることから、Rubiscoが活性型となる際のMg^<2+>結合部位が遷移金属の結合部位として、そして基質のCO_2,O_2の結合部位がH_2O_2の結合部位となって活性中心でFenton反応が起き、生じたヒドロキシルラジカルが切断部位に特異的に作用し断片化が起きると推察した。またCABPの結合した活性型Rubiscoは全く分解されなかった。活性型Rubisco+RuBP,活性型Rubiscoが次いで分解され難く,以下不活性型Rubisco+CABP(RuB P),不活性型Rubisco+CO_2,不活性型Rubisco+Mg^<2+>の順であった。不活性型のRubisco単独の場合がもっとも断片化され易かった。以上から断片化にはRubiscoの高次構造が関与することが示唆された。 2.葉緑体の酵素であるGS2も光照射下の葉緑体およびその破砕液中でRubiscoと同様のメカニズムで活性酸素(ヒドロキシルラジカル)により断片化された。現在精製GS2を用いて検討している。
|