研究課題/領域番号 |
09460038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 英明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80026418)
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研究分担者 |
馬 建鋒 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (80260389)
江崎 文一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90243500)
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50166831)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 酸性土壌 / アルミニウム / 毒性 / 耐性獲得 / 低分子物質 / 植物 |
研究概要 |
酸性土壌における植物生育阻害要因であるAlイオンに対する植物の耐性機構の解明を試みた。 1. Al耐性を示すソバを材料に以下の点を明らかにした。 (1) ソバはAl処理により、根圏へただちにシュウ酸を分泌した。 (2) シュウ酸分泌はAlイオンストレスに特異的であった。 (3) 150μM Alの3時間パルス処理により、シュウ酸分泌は8時間にわたって認められた。 (4) シュウ酸の分泌は根端0〜10mmの所に限られていた。 (5) アニオンチャンネル阻害剤のうち、フェニルグリオキサルによってシュウ酸の分泌が抑制され、その結果、根の伸長が抑制された。 (6) ソバは根、葉にAlを集積しその90%が細胞液中に存在し、シュウ酸が主たる有機酸であった。 (7) 細胞液中のAlはシュウ酸と1:3の複合体を形成して存在し、Alを無毒化している。 以上の結果よりAl耐性種のソバはAlストレスにより、まずシュウ酸を根圏に分泌し、Al-シュウ酸複合体を形成す ることによりAlを無毒化する。一方、根内に進入したAlは細胞内でシュウ酸と結合して無毒化するので、ソバは2段 階の方法でAlを無毒化して耐性を獲得していることが明らかになった。 2. タバコ培養細胞を使い以下の結果を得た。 (1) Alは二価鉄依存の脂質過酸化を促進する。 (2) クロロゲン酸とカフェイン酸はAlと二価鉄による脂質過酸化と細胞死を抑制した。 (3) これらの結果はフェニルプロパノイド類が抗酸化剤として作用することを明らかにした。
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