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1998 年度 実績報告書

動物、植物、微生物起源α-グルコシダーゼの構造と基質認識に基づく分子進化

研究課題

研究課題/領域番号 09460041
研究機関北海道大学

研究代表者

千葉 誠哉  北海道大学, 農学部, 教授 (30001449)

研究分担者 森 春英  北海道大学, 農学部, 助手 (80241363)
木村 淳夫  北海道大学, 農学部, 助教授 (90186312)
キーワード基質認識 / 糖質分解酵素 / 触媒部位構造 / α-グルコシダーゼ / 分子進化
研究概要

本研究は、糖代謝に重要な役割を担うα-グルコシダーゼの基質認識や構造を総合的に解析し、"大きく2つのファミリー(ファミリーAとB)に大別できること"の実証を意図して研究を進行させている。前年度計画の継続分も含め、本年度に関しては以下の研究成果が得られた。
1. 植物由来のα-グルコシダーゼのうち、ソバ、イネのものは遺伝子単離に成功し、アミノ酸一次配列が決定された。典型的なファミリーB型の酵素であった。基質認識もこれと符合する。イネに関しては、ゲノム中にもう一種類の酵素遺伝子が確認され、現在、単離・構造解析を行っている。
2. 動物α-グルコシダーゼは、ミツバチに関して遺伝子単離を終了させた。ファミリーAの基質認識を示すものであり、構造もこれを支持する。哺乳動物(ブタ)酵素を調製し、活性発現に関与する解離基を解析したところ、二つのカルボキシル基であると推察された。部分アミノ酸配列の解析を進行させている。
3. 微生物のうち、分裂酵母の遺伝子単離が行われ(ファミリーBに属すことが分かった)、僅かながら他種生物中での発現が確認された。良好な発現条件の確立を目指している。好熱性Bacillus属α-グルコシダーゼの部分アミノ酸配列が明らかにされ、A型ファミリーに属すことが認められた。
昨年度からの研究成果も併せ総合的に判断すると、植物および微生物の真核生物由来のα-グルコシダーゼはB型ファミリーに属し、昆虫と微生物の原核生物の酵素はA型であると推察できる。が、哺乳動物の酵素は、基質認識からB型と予想でき、構造に関する解析を急いでいる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Mori: "Molecular Cloning of an α-Amylase cDNA from Germinating Cotyledonsof Kidney Bean(Phaseolus vulgaris L.cv Toramame)" Oyo Toshitsu Kagaku(J.Appl.Glycosci.). 45・3. 261-267 (1998)

  • [文献書誌] S.Igaki: "Catalytic Reaction Mechanism on α-Secondary Kinetic Isotope Effects in Hydrolytic Cleavage of α-Glucosidic Linkage by α-Glycosidases" Oyo Toshitsu Kagaku(J.Appl.Glycosci.). 45・3. 269-274 (1998)

  • [文献書誌] T.Saeki: "Localization of α-Glucosidase in Yeast Cells" Oyo Toshitsu Kagaku(J.Appl.Glycosci.). 45・3. 281-283 (1998)

  • [文献書誌] K.Nozaki: "Amylases and Branching Enzyme of Developing Kidney Bean Seeds on Native Electrophoretic Gel" Oyo Toshitsu Kagaku(J.Appl.Glycosci.). 45・2. 117-122 (1998)

  • [文献書誌] A.Kimura: "A Study on Structure and Function of Crystalline α-Glucosidase from Aspergillus niger" Oyo Toshitsu Kagaku(J.Appl.Glycosci.). 45・1. 71-79 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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