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1998 年度 実績報告書

リゾスフィンゴ脂質生成酵素とリゾスフィンゴ脂質の生理機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09460051
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 信  九州大学, 農学部, 助教授 (40253512)

研究分担者 東 秀好  三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
キーワードスフィンゴ脂質 / リゾスフィンゴ脂質 / SCDase / アポトーシス / 神経細胞 / ガグクオシド / Neuro.Zo / カスパーゼ
研究概要

スフィンゴ脂質から脂肪酸が外れたリゾスフィンゴ脂質は、スフィンゴ脂質代謝異常症の細胞において蓄積されることが知られている。一方、リゾスフィンゴ脂質は正常組織には徴量しか含まれていないが、細胞分裂促進やPKC阻害などの生理作用を持つことから、細胞内情報伝達系の調節因子としても注目されている。今回、リゾスフィンゴ脂質が神経系の細胞にアポトーシスを誘導することを見いだしたので、その誘導機構の解析した。リゾsphingomyelin、リゾGM1、リゾGM2、リゾGalCerは5%血清存在下でマウス神経芽腫瘍細胞Neuro 2aのDNA合成を濃度依存的に抑制し、40〜80μMの濃度でアポトーシスの指標とされるクロマチンの凝縮ならびにヌクレオソーム単位でのDNAの断片化をひきおこした。しかし、同濃度のsphingomyelin.GM1、GM2は細胞に障害を与えなかった。リゾスフィンゴ脂質によるDNAの断片化に先立って、caspase-3様酵素の一過的な活性化が認められたが、caspaseの膜透過性阻害剤ZVAD-fmkを添加してもアポトーシスは抑制されず、caspaseとは独立したシグナル伝達経路の存在が示唆された。一般に神経細胞に対する効果的なアポトーシス誘導剤は知られていない。事実、血球系の細胞に対して有効なアポトーシス誘導剤であるactinomycin D、camptothecin、cycloheximide、valinomycinはNeuro 2a細胞に対してはアポトーシスを誘導しなかった。本研究によってリゾスフィンゴ脂質は神経系の細胞に対するアポトーシス誘導剤としても有用であることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Susumu Mitsutake: "Synthesis of ^<14>C-labeied ceramide by fatty acid transfer reaction of sphigolipid ceramideN-deacylase" Analytical Biochemistry. 247. 52-57 (1997)

  • [文献書誌] Susumu Mitsutake,: "Enzymatic synthsis of (^<14>C)-glycosphingolipids by reverse hydrolysis reaction of sphingolipid ceramide N-deacylase" Fournal of Biochemistry. 123. 859-863 (1998)

  • [文献書誌] Nozomu Okino: "Purification and characterization of a novel ceramidase from Pseukomonas aeruginosa." Journal of Biological Chemistry. 273・23. 14368-14373 (1998)

  • [文献書誌] Motohiro Tani: "Enzymatic synthesis of w-amino-ceramide:Preparation of a sensitive fluoresecent substrate for ceramidase." Analytical Biochemistry. 263. 183-188 (1998)

  • [文献書誌] Hironobu Komori: "Regulation of intracellular ceramide content in B16 melanoma cells." Journal of Biological Chemistry. 274(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Makoto Ito: "Enzymatic N-deacylation of sphingolipids." Methods in Enzymology. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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