研究課題/領域番号 |
09460052
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
浅野 泰久 富山県立大学, 工学部, 教授 (00222589)
|
研究分担者 |
米田 英伸 富山県立大学, 工学部, 助手 (50285160)
加藤 康夫 富山県立大学, 工学部, 助教授 (20254237)
|
キーワード | アミノ酸脱水素酵素 / オピン脱水素酵素 / X線結晶構造解析 / 部位特異的変異 / 遺伝子クローニング / キメラ酵素 / フェニルアラニン脱水素酵素 |
研究概要 |
グルタミン酸脱水素酵素(GluDH)の構造解析に基づき、フェニルアラニン脱水素酵素(PheDH)を出発酵素としてロイシン脱水素酵素(LeuDH)様酵素への変異について研究した。基質ポケットの周辺で、全ての酵素に共通ではない残基に注目した。GluDHおよびLeuDHの活性中心付近にある163Aや377Vは、PheDHでは、それぞれGやLである。そこで、これらの残基をGluDHおよびLeuDHに見られるアミノ酸へ改変した。その結果、これらの変異型酵素は、L-フェニルアラニンに対する活性が低下したが、脂肪族アミノ酸に対する活性が増大した。 オピン脱水素酵素(ODH)は、40-kDa Protein、D-リゾピン脱水素酵素、D-ノパリン脱水素酵素等と類似性を有しているので、一次構造上に見られる共通残基および活性中心にあると考えられる残基を絞りこんだ。ODHを大腸菌形質転換株より高度に精製し、結晶化を行った。ODHのアポ型のX線構造解析を行い、共同研究者と共に立体構造を明らかにした。本酵素の触媒機構を解明するために、R143、K156、N198、H202、Y259、Y280、I283、R292、Y293、D297等の残基に部位特異的変異をかけた。野生型および変異型酵素に対する、種々の合成基質の影響を速度論的に検討したところ、一次構造の比較からは予想されなかったR143が基質の一方のカルボキシル基に結合する可能性が示唆された。次にR143M変異株を結晶化し、野生型酵素の座標を用いて高次構造を明らかにした。基質や基質アナログにソーキングした結晶を常温及び低温下でX線測定および解析を行った結果、残基H202、R292、Y293の近傍に1個の硫酸イオンが認められた。この硫酸イオンおよびオピンのカルボキシル基は、共通の酵素部位と結合すると仮定し、本酵素の酸化反応における触媒機構を推論した。
|