研究分担者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
今井 一洋 東京大学, 大学院・薬学系研究所, 教授 (50012620)
香川 靖雄 女子栄養大学, 医化学研究室, 教授 (30048962)
丸山 正 海洋バイオ研究所, 釜石研究所, 主任研究員
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研究概要 |
Pyrococcus horikoshii由来の2種類のアスパラギン酸ラセマーゼホモローグ(PH0670,PH1733)及びArcaeoglobus fulgidus由来アスパラギン酸ラセマーゼホモローグ(AF1422)を大腸菌発現系から精製した.いずれも,熱に安定であり,70℃で30分程度熱処理をすることにより大腸菌由来の他のタンパク質のほとんどを除去することができた.精製酵素を用いてアスパラギン酸ラセマーゼ活性を測定したが,PHO670のみアスパラギン酸ラセマーゼ活性があった.80℃で,D-Aspを基質として活性を調べたところ,Michaelis-Menten型反応であった。KM値は3.6E^<-3>(M),VMAXは4.2E^<-11>(mol/sec)であった.一方,PH1733とAF1422にはアミノ酸ラセマーゼ活性はなかった.大腸菌の0rfXと呼ばれている機能不明遺伝子との相同性などからDiaminopimelate Epimerase活性を示す予想として活性を測定したが,活性は確認されなかった.PH0670,PH1733,Af1422及びコントロールとして用いたArchaeoglobusのDiaminopimelate Epimeraseの結晶化を試み,4種類全てのタンパク質の結晶を得ることに成功した.また,超好熱性以外の古細菌におけるD-アミノ酸の存在を調べたところ,Thermoplasma acidophilumのアスパラギン酸が高度にラセミ化していることが分かった.T.acidophilumのゲノム解析を行っているMax Plank研究所に,アスパラギン酸ラセマーゼホモローグの存在を問い合わせたが,明らかな相同遺伝子は存在しなかった.
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