研究課題/領域番号 |
09460058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
長田 裕之 理化学研究所, 抗生物質研究室, 主任研究員 (80160836)
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研究分担者 |
臼井 健郎 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (60281648)
植木 雅志 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (90312264)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | G1期 / 蛋白質合成阻害 / 細胞周期 / Curvularia sp. / 新規化合物 / セスキテルペン / トリコテセン |
研究概要 |
新規細胞周期阻害物質の単離を目的として、土壌より分離した放線菌及び糸状菌代謝産物のスクリーニングを行った。細胞周期阻害活性は、cdc2 kinase温度感受性変異株tsFT210細胞に微生物抽出液を添加後、フローサイトメータを用いて検定した。その結果、長崎県野母崎付近で採取した糸状菌Curvularia sp.97-F166株の培養液より新規物質curvularolを単離した。Curvularolは、97-F166株の培養液から、各種カラムクロマトグラフィーを経て、無色針状結晶として得られた。高分解能FAB-MSから、分子量266、分子式C_<15>H_<22>O_4と決定された。^1H及び^<13>CNMRを用いた詳細な構造解析により、トリコテセン骨格に一部類似した新規セスキテルペン化合物であることを決定した。 Curvularolは、高濃度(100μg/ml)でもバクテリア・真菌に弱い抗菌活性しか示さなかったが、各種動物培養細胞に対しては、低濃度(50〜500ng/ml)で強い細胞毒性を示した。放射性前駆体を用いて生体高分子の合成に与える影響を調べた結果、curvularolは、動物細胞の蛋白質合成を阻害することが明らかになった。Curvularolは、tsFT210細胞、src^<ts>-NRK細胞(ラット腎細胞NRKに温度感受性v-srcを導入した細胞)の細胞周期をG1期で停止させた。さらに、50ng/mlの濃度でsrc^<ts>-NRK細胞を癌細胞様形態から正常細胞様形態に復帰させた。
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