研究課題/領域番号 |
09460059
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
田中 秀幸 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70091949)
|
研究分担者 |
加藤 久典 東京大学, 農学部, 助教授 (40211164)
杉田 昭栄 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50154472)
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
人見 賢徳 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (80282383)
|
キーワード | 小眼球症 / サーカディアンリズム / 環境同調因子 / メラトニン / ドーパミン / セロトニン / チロシンヒドロキシラーゼ / 免疫組織化学的染色 |
研究概要 |
ドンリュウ系の突然変異種である遺伝性視神経欠損ラットについて、時間生物学の実験動物として本ラットを適用するための栄養生理・生化学に関する基礎的知見を得ることを目的とし、本年度は成育特性、自発行動と松果体メラトニンのサーカディアンリズムに加え、とくにモノアミン代謝について脳各部位の免疫組織化学的観察やカテコールアミン・インドールアミン濃度の測定とその日内変動を検討し、以下の研究成績を得た。1.遺伝性視神経欠損ラットの継代交配:ドンリュウ系の突然変異種の兄妹交配により作出した本遺伝性盲目ラットについて13世代まで交配を進め、繁殖率、欠損出現率、成育特性等について、継続して測定中である。また、自発行動リズムが消失した個体から脳視交叉上核を完全に欠失したラットを発見した。2.行動リズムに対するメラトニン投与効果:本補助金で導入した摂食行動自動測定記録装置(LOCOMO)をもちいて、行動リズムに及ぼす外因性メラトニン投与の影響について体内時計同調との関連で検討したが、メラトニン注入周期により、本視神経欠損ラットでのフリーランしている行動リズムのリセットには期待した効果は得られなかった。3.酵素活性リズムの測定:脳松果体セロトニンN-アセチル基転移酵素活性リズムは、フリーランしているが、行動リズムから推察した主観的明暗時に測定し解析すると、新たなリズムパターンが出現することを見いだした。4.脳モノアミン代謝:ドーパミン産生ニューロンをチロシンヒドロキシラーゼ抗体を用いて免疫組織化学的に染色し、正常ラットのそれと比較した。また、黒質と視床下部についてのドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン濃度をHPLCで定量した結果、本視神経欠損ラットのモノアミン生成系は正常ラットのそれと比べて顕著な異常は観察されなかった。 (日本栄養食糧学会発表予定2001.5)
|