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1997 年度 実績報告書

消化管ホルモン分泌細胞の脂肪酸認識機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09460062
研究機関京都大学

研究代表者

伏木 亨  京都大学, 農学研究科, 教授 (20135544)

研究分担者 都築 巧  京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
井上 和生  京都大学, 農学研究科, 助手 (80213148)
河田 照雄  京都大学, 農学研究科, 助教授 (10177701)
キーワード脂肪酸 / 消化管ホルモン / ホルモン分泌 / 外分泌 / CCK
研究概要

脂肪が小腸で認識されると、膵酵素分泌を刺激する消化管ホルモンであるCCKが分泌される。脂肪およびその関連化合物を麻酔下のラットの空腸に投与して膵酵素分泌を調べたところ、膵酵素分泌を刺激するのはリノール酸、オレイン酸などの長鎖脂肪酸だけであった。トリグリセリドの形、カルボキシル基をエステルやエーテルの形にしたもの、中鎖脂肪酸C8やC10では脂肪としての刺激作用は認められなかった。これらのことから、腸管のCCK分泌細胞は長鎖脂肪酸を脂肪として識別し、カルボキシル基および炭素鎖長のいずれもが識別に関与していると考えられる。
ラット小腸分散細胞、ラット小腸培養細胞(IEC-6)のいずれにおいても、リノール酸、オレイン酸を培地に添加することにより細胞内カルシウムが著しく増加し、脂肪酸のメチルエステルやエチルエステルではカルシウム動員は観察されなかった。脂肪に対する特異性は生体レベル、細胞レベルで同じであり、脂肪認識に関わる普遍的なメカニズムが存在することが示唆される。
最近、ラット脂肪組織から長鎖脂肪酸と結合するタンパク質、Fatty Acid Transporter(FAT)がクローニングされた。小腸にもFAT様タンパク質が存在するか調べたところ、抗FAT抗体がラット小腸上皮と特異的に結合することが明らかとなった。ラット小腸上皮を絨毛の先端から陰窩まで分画し、FATcDNAをプローブとしてFATの発現を調べたところ、絨毛の先端部分に大量のmRNAが存在することが分かった。また、抗FAT抗体は脂肪酸によるラット小腸上皮分散細胞のカルシウム上昇を阻害した。ラットに高脂肪食を食べさせると小腸上皮のFATmRNAの発現が増加するという報告があることからも、ラットの小腸上皮に存在するFATが小腸における脂肪酸の受容に関与していることが示唆される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Fukuwatari 他: "EXpreesion of the putative membrane fatty acid transporter(FAT) in taste buds of the circumvallate papillae in rats" FEBS Letters. 414. 461-464 (1997)

  • [文献書誌] Y.Miura 他: "Long-term consumption of an amino acid diet reduces the pancreatic enzyme secretion response to a trypsin inhibitor in rats." J.Nutr.127. 1377-1381 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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