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1999 年度 実績報告書

北方針葉樹海岸砂丘林維持機構の環境生理学的解明と前砂丘の保全機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 09460064
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 邦秀  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80281707)

研究分担者 松田 彊  北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (30002075)
澁谷 正人  北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10226194)
矢島 崇  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90142702)
春木 雅寛  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (40113609)
野田 真人  北海道大学, 農学部・附属演習林, 助手 (00101238)
キーワード海岸林 / トドマツ / 風向風速 / 土壌水分 / 塩分 / 無機態窒素
研究概要

1.風環境:開口部、非開口部ともに毎月の最多風向を比較すると、南から東寄りの風が卓越する春から秋にかけて(夏季:1999年4〜9月)、北から西よりの風が卓越する晩秋から早春(冬季:1998年11月〜1999年3月と1999年10月〜)に分けられた。開口部における月平均風速は2.24±0.05m/s〜5.45±0.11m/sであったのに対し、対照地点は1.58±0.03m/s〜3.85±0.07m/sと小さい値を示した。この月平均風速に関して季節(上述の夏季と冬季)と観測地点を要因とする二元配置分散分析を行った。その結果、季節間、地点間ともに有意な差が得られ、交互作用はみられなかった(p<0.05)。すなわち、開口部に面する第2砂丘に生育するトドマツ林は非開口部より強い風に常にさらされ、冬季にはさらに強い海側からの風を受けていることがわかった。
2.土壌環境:土壌絶乾比は深度0-5cmで、第4砂丘が50%と最も高く、第1砂丘、第3砂丘、第2砂丘の順で、第2砂丘が最も低い(乾燥している)が有意差はない。深度5-10cmでは砂丘列間に差はない。塩素イオン、ナトリウムイオンは砂丘上で高い値を示しており、海塩の補足が砂丘上で大きいと思われる。Ao層の無機体窒素は第2砂丘と第1砂丘で多く、第3砂丘と第4砂丘では少なくなっていた。有機物量は第4砂丘が他の砂丘より有意に大きくなっている。
3.トドマツの生理状態:開口部と非開口部の当年葉及び1年葉の光合成速度の季節変化に有意な違いは観察されなかった。乾燥ストレスが生じると思われた冬期間でも水ポテンシャルは-2MPa前後であり、冬季の乾燥ストレスによる成長期の光合成速度の低下は見られない。しかし、開口部では冬季の異常落葉が観察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 柏 智久: "海岸砂丘林におけるトドマツの水ポテンシャルと光合成速度の季節変化"日本林学会北海道支部論文集. 48. 81-86 (2000)

  • [文献書誌] 佐々木健人: "稚咲内海岸トドマツ林における林分成長にともなう地上部現存量の変化"111回日本林学会大会学術講演集. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 金森将裕: "稚咲内海岸砂丘林におけるトドマツ林の更新の空間パタン"111回日本林学会大会学術講演集. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 芳賀規晋: "稚咲内海岸トドマツ林における個体群動態"111回日本林学会大会学術講演集. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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