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1998 年度 実績報告書

針葉樹(裸子植物亜門球果植物網)のDNA分類・系統学的研究-DNA塩基配列情報に基づく分類体系の再構築-

研究課題

研究課題/領域番号 09460070
研究機関九州大学

研究代表者

白石 進  九州大学, 農学部, 助教授 (70226314)

研究分担者 植村 和彦  国立科学博物館, 地学研究部, 研究員 (50000138)
鈴木 三男  東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (80111483)
高田 克彦  九州大学, 農学部, 助手 (50264099)
キーワード針葉樹 / 球果網植物 / 植物分類 / 系統樹 / 葉緑体DNA / マツ科 / マツ属 / 塩基配列情報
研究概要

葉緑体DNA上の複数遺伝子のDNA塩基配列情報を用いて、マツ科、マツ属の系統進化解明を行った。また、核DNAの18SrDNA遺伝子塩基配列情報を利用したヒノキ属植物の同定法について検討した。
1. マツ科における系統進化の解明:マツ科を構成する8属(18種)を対象として、葉緑体DNA上の6遺伝子領域(atpA、petA、rbcL、rpoA、rps2、rps3)の塩基配列を決定し、塩基配列情報に基づく系統解析を行った。マツ科は、マツ亜科(マツ属、トウヒ属)、カラマツ亜科(カラマツ属、トガサワラ属)、ヒマラヤスギ亜科(ヒマラヤスギ属)、モミ亜科(モミ属、アブラスギ属、ツガ属)の4亜科に分類されることが判明した。この結果は、従来の分類体系とは異なるものであった。
2. マツ属の新たな分類体系の構築:針葉樹中最大の分類群であるマツ属において、葉緑体DNA塩基配列情報を利用し、系統進化に基づく分類体系の再構築を行った。この属の約80%に当たる78種を対象とし、葉緑体DNA上の3遺伝子(atpA、rbcL、rpoA)の塩基配列情報から分子系統樹を作成し、この系統樹を基に、従来の分類体系とは大きく異なる新たな分類体系を提唱した。この分類体系における4節、11亜節は、それぞれ、分布地域が近い種群で構成され、マツ属の系統進化において地理的要因が大きく影響していたことを明らかにした。
3. 18SrDNA遺伝子を用いたヒノキ属の分類:ヒノキ属は世界で6種分布している。これらの18SrDNAの塩基配列(1,694bps)を決定した。その結果、各樹種は種特異的な塩基配列を保有しており、これを利用することにより樹種識別が可能であることが明らかとなった。さらに、BESS(base excision sequence scanning)T-Scan分析を導入し、簡便な樹種同定法を開発した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 渡辺敦史: "マツ近縁種間における葉緑体DNAスペーサー領域のシークエンス変異-pineとSand pine間の変異-" 日本林学会九州支部研究論文集. 52(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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