研究課題/領域番号 |
09460071
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
丸谷 智己 九州大学, 農学部, 助教授 (40112320)
|
研究分担者 |
笠井 美青 九州大学, 農学部, 助手 (80294966)
寺岡 行雄 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (40264105)
井倉 洋二 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60203270)
岡野 哲郎 九州大学, 農学部, 助教授 (00194374)
平野 宗夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037850)
|
キーワード | バンクエローション / 支流流域 / セデイメントバジェット / 河床変動 / 生産土砂量 / 河畔生態系 / 水中生態系 / 河岸崩壊 |
研究概要 |
本年度は、、現地観測に基づいて渓流の荒廃状況の計測、生態系の撹乱規模の解析を行った。具体的な内容は、以下の通りである。 (1) 降雨量および洪水時の水位自動観測。水位一流量キャリブレーション。 (2) 河床横断形計測による河床変動量、流出土砂量解析。 (3) エロージョンピンによるバンクエロージョン計測。 (4) バンクエロージョンに起因する渓岸崩壊規模および位置の計測。 (5) 支流流域からの生産土砂量観測とセデイメントバジェット解析。 (6) 洪水流による表層砂礫径の分布への影響。 これらの観測および解析に基づいて、得られた結論配下の通りである。 (1) 洪水流量は、支流流域が本流に合流する位置で急激に増加し、支流流域の合流の影響が降雨の時間的変化の影響よりも大きいことが推測された。 (2) 河床への滞留土砂量は、1993年と1997年の洪水による河床上昇によって増加したが、その後指数関数的に減少し、3km区間で10000〜12000m^3の滞留許容量に達している。河床変動量も、洪水イベントからの時間経過に伴い急速に減少している。 (3) バンクエロージョンは、これまでいわれてきたような川幅と湾曲角度よりも、川幅と河床勾配にたいして高い相関をもっている。これは上流型河川の特徴と思われ、これにより河畔生態系とも関係は横断方向でも地形変化のみならず、縦断方向での変化にも着目する必要があることがわかった。 (4) 支流流域からの土砂生産量は、支流内での崩壊地発生年からの経過年数によって変化することがわかった。これより、山地渓流では河川自身の運動だけでなく、土砂生産の周期性の影響が大きいことがわかった。 (5) 水中の生態系に関連する表層砂礫の分布は、洪水直後では合流の影響が極めておおきく、水系を通して解析することが必要である。
|