研究課題/領域番号 |
09460074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30261960)
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研究分担者 |
水町 浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40022165)
梶山 幹夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50183455)
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キーワード | フェノール液化 / 高圧法 / セルロース / 5-ヒドロキシメチルフルフラール / グルコース |
研究概要 |
本年度は木材の主要成分であるセルロースについての液化を行い、その中間生成物の検討を行った。セルロースにフェノールおよび水を添加し、耐圧容器中250°Cで液化を行い、セルロースが経時的に変化する様子を検討した。セルロースが完全に液化しない初期液化物から未反応フェノールを取り除き、水、クロロホルムにより順次溶媒分離を行った。水化溶分を液体クロマトグラフィーにより分子量的に分画して高分子物と低分子物に分け、それらを同定した結果、高分子物はセロオリゴ糖類であることが判明した。低分子物質はグルコースであることが分かった。また、クロロホルム化溶部をさらに液体クロマトグラフィー法により分析し、その低分子部分を分画して同定しすると、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)であることが判明した。さらに反応を継続するとこれらの分子種は完全液化時には消失してしまうことが確認された。以上のことから、水存在下でのセルロースのフェノール液化反応では、セルロースの解重合にともなうセロオリゴ糖の生成、セロオリゴ糖からグルコースへの解重合、グルコースからHMFの生成という、一般的なセルロースの酸加水分解反応が起きていることが示唆された。なお、生成したHMFは系中のフェノールと縮合反応を起こし高分子化する可能性を赤外吸収スペクトルから見出した。フラン環骨格を持つ縮合系高分子は高い耐薬品性、耐熱性のあることが知られている。上記検討からの結果は、この液化系からHMFを定量的に収得すれば機能性のある高分子原料として使用できる可能性を示唆したものといえる。
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