研究課題/領域番号 |
09460074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30261960)
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研究分担者 |
梶山 幹夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50183455)
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キーワード | 液化 / レゾルシノール / 木材 / 硬化反応 / 常温硬化 / 接着剤 |
研究概要 |
従来、効率的液化溶媒として用いられていたフェノールの替わりにレゾルシノールを用いて液化物を調整し、常温硬化性木材接着剤への原料としての特性を検討した。 [レソルシノール液化の検討] レゾルシノールと木粉の配合比率(R/W比)を変化させて、完全液化に要する最小レゾルシノール量を検討した。その結果、R/W=2.5程度で完全液化することが判明した。また、R/W=2.5では液化温度を標準フェノール液化温度である150℃から135℃程度に下げることが可能であることも確認した。さらに、反応系中に水を5%程度添加することで液化反応を速められることが分かった。レゾルシノールの液化では、反応系での撹拌効率が重要であり、今後の検討が必要である。得られた液化物をパラホルムアルデヒドと混合して接着剤とした場合にはフェノールーレゾルシノール共縮合樹脂と同程度の温度で硬化することを見いだした。しかし、この液化物を原料として接着剤とするためには中和反応が必要であり塩の量が多くなると言う欠点があった。 [レゾール液化物の検討] 液化物を水により高分子量物質と幾分の低分子を含んだ未反応レゾルシノールに分離できることを見いだした。分取して得た高分子物は融点を示さない物質で、そのままではパラホルムアルデヒドと反応しない。しかし、低分子物質や未反応レゾルシノールが系中に存在すれば、ホルムアルデヒド分子との分子的な混合により反応が進むことが示唆された。今後は、高分子物質の同定などを行いこの硬化機構を検討する予定である。
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