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1997 年度 実績報告書

高温高圧水蒸気下における木材のケモレオロジーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09460077
研究機関京都大学

研究代表者

則元 京  京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20027163)

研究分担者 師岡 敏朗  京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (00192378)
キーワード水蒸気処理 / ケモレオロジー / 応力-歪図 / 応力緩和 / クリープ / スギ / 圧縮 / 変形の回復度
研究概要

本研究は、高温高圧水蒸気処理の過程で、木材に与えた変形が永久固定される機構と物性の変化を、ケモレオロジーにおける解析に従って、明らかにすることを目的とする。耐高温高圧容器内に圧縮装置と荷重検出器を組込んだ測定装置を用い、飽水状態の木材の放射方向に圧縮の大変形を与えた後水蒸気を導入し、木材成分の化学構造や結晶性が変化する過程におけるケモレオロジー測定を行った。針葉樹および広葉樹を含む10種類の木材について、0-200℃の温度範囲において、10℃間隔の一定温度で、応力-歪図を求め、降伏応力と温度の関係を調べた。測定温度範囲に2つの大きな変化領域があり、低温側のそれは、リグニン分子のミクロブラウン運動による軟化に、高温側のそれは、ヘミセルロース分子の加水分解にそれぞれ基づくことを推定した。スギ材について、120-200℃の温度範囲において、20℃間隔の一定温度で、50%の歪を与えた時の60min間の応力緩和測定を行った。測定終了時の残留応力と変形の回復度の関係は、S字形の関係を示した。回復度が100-70%の範囲では、残留応力が急激に減少したが、これは、ヘミセルロースの加水分解に基づくことを推定した。回復度が70-10%の範囲では、残留応力の変化が少ないにもかかわらず、回復度が著しく変化する現象が認められたが、これは、X線回折の測定から、セルロース分子の結晶領域がより規則的に変化することや、分子間架橋の形成に関係があることを推定した。スギ材について、140-190℃の温度範囲において、10℃間隔の一定温度で、降伏応力値の71、54、36%に相当する一定応力を与え、30min間のクリープ測定を行った。160℃以上になると、応力レベルが大きくなると、通常のクリープ測定では観測されない特異な挙動が観測され、これが、ヘミセルロースの加水分解、セルロース分子の結晶性の変化、分子間架橋に関係して生じることを推定した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 古田裕三: "膨潤状態における木材の熱軟化特性(第4報)" 木材学会誌. 43・9. 725-730 (1997)

  • [文献書誌] A.Uhmeier: "Influence of Thermal Softening and Degradation on the Radial Compression Behavior of Wet Spruce" Holzforschung. 52・1. 77-82 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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