研究課題/領域番号 |
09460086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
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研究分担者 |
天野 雅男 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50270905)
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10169328)
都木 靖彰 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10212002)
田辺 信介 愛媛大学, 農学部, 教授 (60116952)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 海棲哺乳類 / 生活史 / 生物学的特性値 / 系統群 / 食性 / 有機塩素系化合物 / 有機スズ化合物 / 重金属類 |
研究概要 |
本研究では、海棲哺乳動物の生活史(分類、成長、繁殖、行動、食性など)のデータをもとに合理的な資源管理を模索するとともに、海棲哺乳類を指標とした有害化学物質(有機塩素系化合物、有機スズ化合物、重金属類など)による海洋汚染のモニタリング研究を実施した。特に、有害化学物質による生息環境の汚染は、海棲哺乳類の繁殖や生存に影響を与えることから、その生物影響についても言及した。本研究課題で得られた研究成果をもとに学術論文37編、報告書・総説36編を発表すると同時に、国内外の学会発表49回、および一般講演28回を行った。イシイルカ、バイカルアザラシ、カスピカイアザラシに関する生活史研究と彼らを指標とした環境モニタリング研究は国際的にも高い関心を持たれている。なかでも、イシイルカが餌生物のバイオマスの変化に応じて主要な餌生物の種類をスイッチさせている現象を明らかにした論文は、国際的評価が高い。バイカル湖に生息しているバイカルアザラシの生活史を正確な年齢査定の方法を用いて解析した論文は、国内外の研究者からも注目されている。同時に、バイカルアザラシを通じてバイカル湖の環境汚染を推察し、バイカル湖南部のパルプ工場排水がバイカル湖を汚染し、バイカルアザラシの生存を危うくしているとの私たちの調査結果は、世界の人々に驚きをもって受け入れられた。また、カスピカイアザラシを指標としたカスピ海における環境汚染の研究は、国際的に注目されている。平成11年12月にマウイで開催された国際海棲哺乳学会では「カスピカイアザラシの危機」、平成12年4月に国立マレーシア大学で開催された「内分泌攪乱化学物質の国際会議」では「海棲哺乳類の生活史に基づいた有害化学物質の蓄積特性」、平成12年5月に開催されたUNESCO主催の会議「カスピ海とその周辺域の環境」では「カスピカイアザラシの生活史特性値と有害化学物質の蓄積特性」、平成13年3月に日本で開催された日米専門家による「内分泌化学物質の汚染とその環境評価に関する会議」では「海棲哺乳類に蓄積する有機塩素系化合物とその生物影響」を紹介した。このように、本研究課題で得られた知見をもとに、さまざまな国際会議で招待講演を行ってきた。これらの活動を通じて、海洋環境に配慮した新しいタイプの資源管理システム確立の重要性を説くとともに、彼らの生息環境の保全の必要性を国内外にアピールしてきた。
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