研究課題/領域番号 |
09460104
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長澤 徹明 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30002067)
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研究分担者 |
波多野 隆介 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40156344)
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
井上 京 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30203235)
工藤 明 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10091604)
佐藤 冬樹 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助教授 (20187230)
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キーワード | 積雪寒冷地 / 農林流域 / 土地利用 / 地域資源 / 灌漑排水 / 物質循環 / 河川水質 / 水環境保全 |
研究概要 |
本研究では、積雪寒冷地域の水文水質特性をつうじて、地域における農林業のかかわり、流域の土地利用のあり方、地域資源の利活用などと水環境保全との関連性を検討した。 1.北海道黒松内町において、流域の土地利用と河川水質の関係を調査し、降雨時におけるN,P,SSなどの流出特性を明らかにした。また、美瑛、留寿郡の調査結果とあわせて、融雪期における中山間農林業地域の水質負荷流出特性を解析した結果、積雪寒冷地域の水環境を特徴づける課題が明確になった。 2.北海道三笠市の水田転換タマネギ畑(細粒質灰色低地土)において、窒素収支を調査した。すなわち、タマネギ畑に対する施肥窒素量、降水による負荷量、作物(タマネギ)による吸収量、亜酸化窒素放出量、そして暗渠による排出量の検討を行った。このなかで、窒素収支は季節的変動特性が明確に認められ、モデルによって排出挙動が説明可能なことを示した。 3.北海道天塩地方の森林流域において、おもに融雪期の河川流量と水質の調査を行った。また、流域積雪について積雪水量と水質を調査した。それらの結果、酸性雪の影響により調査流域の積雪はPhが4.8〜5.0レベルにあったが、融雪期における河川水のpH低下の度合いは小さく、アシッドショックにより流域生態系が破壊される可能性は小さいものと判断された。 4.降雨をため池や排水路に貯留して循環潅漑を行っている青森県津軽地域において、水環境保全にかかわる調査を実施した。低平地水田地帯で行われている循環潅漑方式は、持続的な農業用水の確保とともに、有機物や栄養塩類などの資源を再利用している。その結果、河川や湖沼への流出負荷量が軽減され、水環境の改善にとっても有益であることが明らかになった。
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