研究課題/領域番号 |
09460105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
足立 泰久 筑波大学, 農林工学系, 講師 (70192466)
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研究分担者 |
大井 節男 農業工学研究所, 農村整備部, 主任研究官
中村 貴彦 東京農業大学, 農学部, 助手 (10287451)
中石 克也 茨城大学, 農学部, 助教授 (40180236)
軽部 重太郎 茨城大学, 農学部, 助教授 (10007768)
藤井 克己 岩手大学, 農学部, 教授 (30134513)
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キーワード | コロイド / 粘土 / 凝集 / 分散 / 電気粘性効果 / 乱流 / モンモリロナイト / アロフェン |
研究概要 |
本研究の目的は、これまで力学的な理論の枠組みの中に位置づけられていなかった粘土コロイドの輸送特性を扱うための水理学的な理論の大要を示し、それに基づいて種々の粘土コロイドの輸送特性に関する実験を行い、その有効性を立証すること、さらにその実用性を実際の農地土壌を用いた実験において具体的に示すことにある。研究の初年度に当たる9年度は、水理学的輸送特性に対し最も大きな支配因子である凝集と分散に関する理論的な力学モデルの構築、実験対象として選定した純粋な粘土試料の凝集と分散に照らし合わせた表面化学的性質の同定及び水理学的輸送特性をモニターするための実験手法の開発に主眼をおいて研究を進め、以下の成果を得た。 1.弱撹拌の乱流中においてコロイド粒子のブラウン運動と流体の運動によって誘発される粒子の衝突頻度に加算性を仮定し、凝集速度を定式化した。次に、その実証をポリスチレンラテックス標準コロイド粒子分散系の塩添加による急速凝集系で行った。 2.結晶性粘土であるモンモリロナイト懸濁液の粘性係数を凝集系と分散系に分けて解析した。特に後者における電気粘性効果の役割がはじめて明瞭化され、水中に浮遊する粘土粒子の形態がこれまでにない精度で推定された。 3.火山灰土壌を構成する主要鉱物であるアロフェン及びイモゴライトを選定し、それぞれの荷電特性および凝集分散特性をPhと塩濃度の関数として解析し、その特徴をDLVOの理論に基づいて明らかにした。この両者はアルカリ領域の凝集挙動において際立った差違を示すことが明らかにされた。 4.レオロジー特性の記述の要となる凝集体の沈降容積を算定する幾何学的なモデルを構築し、その有効性の確認実験を塩によって凝集した標準フロックを用いて行った。実験結果よりモデルの有効性とフロックのネットワークの弾性変形の重要性が示唆された。
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