研究課題/領域番号 |
09460107
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
豊田 勝 新潟大学, 農学部, 教授 (50018785)
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研究分担者 |
三沢 真一 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (30018791)
近藤 正 秋田県立農業短期大学, 講師, 講師 (70279503)
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助教授 (60038320)
長澤 徹明 北海道大学, 農学部, 教授 (30002067)
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キーワード | 水循環 / 水環境 / 土地利用 / 水田用水 / 水質 / 肥料成分 / 水管理 |
研究概要 |
1. 再生有機質肥料を元肥として施肥した水田と、化学肥料のみによる慣行栽培水田を対比し、水収支項目と水質負荷量の測定値に基づいて、地表水と地下水への影響を推定した。肥培灌漑流の影響評価法を深化させる予定である。 2. 山林、畜産、畑作など土地利用と河川水質との関係を、複数の小流域単位で整理し、比負荷量として比較した。また出水時の負荷量を表現するL-Q式についても詳細に比較した。農地率と河川水質との関係を表示できる一般的な手法の開発と、水質環境保全にむけた流域管理のあり方へと研究を発展させつつある。 3. 低平地の湖沼を対象に、畑地灌漑の浸透水が肥料を溶脱して水質を汚濁する機構を、現地調査と室内実験により解明した。また、灌漑期と非灌漑期における水域の水質汚濁状況を比較し、水田用水が有する浄化機能を定量的に推定した。今後は、これらの機構に基づいて、農業用水の管理法と水環境との関係を究明する予定である。 4. 干拓地区内において、農業取水、配水管理用水および排水の水量・水質を継続観測し、農家の水管理アンケート結果と照合することができた。これを基に、干拓地内と調整池の両者の均衡した水環境保全法を検討中である。 5. 歴史的変遷を経た有明干拓地近郷において、現在の土地利用と用排水管理が河川等の水環境に与えている影響を、実測した豊富なデータを基に統計的に解析した。また、露地畑・施設畑・水田における肥料成分流出実験を行った。土地と水の管理が地域の水循環と水環境に与えている影響実態が明らかになった。 6. 以上のように、農業用水の循環過程での水質挙動と環境保全機能を、地区の実態に即して具体的に明らかにしつつあるが、これを定量的に普遍化し、最終的には、土地利用と水環境を調和させる水管理のあり方を追求したい。
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