研究分担者 |
高橋 強 京都大学, 農学研究科, 教授 (80021707)
廣谷 博史 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70218858)
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60227022)
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研究概要 |
平成11年度に実施した内容は「現状調査」「先進事例調査」「関連資料収集」の3つに大別できる。 「現状調査」は,昨年度に引き続き,集落排水処理水を溜池に一旦貯留してから水田で再利用している愛媛県I市O地区で行った.すなわち,昨年度まで行ってきた.集落排水処理水,溜池流入・流出水,地区内の代表的な用水路・排水路での水質調査は,そのまま継続した.また,さらに本年度は,溜池を水平方向に10分割し,それぞれの地点において,灌漑期における深さ方向の水質分布とその経時変化についても調査を行った.さらに,地区内の一筆水田圃場数カ所においても,その流入・流出水について水質調査を実施した.その他,溜池の底泥調査,土壌の物理・化学性調査なども実施した. これらの調査結果から,溜池内部で処理水は決して均一に拡散していないことや,その主要な原因が,溜池内部における水温成層の発生によることなどを明らかにし,処理水の水田での水質変化も定量的に把握した. 「先進事例調査」については,本年度は実際の現場に出かけての聞き取り調査は特に行なわず,昨年までに得られた調査結果についての統計的な集計・解析作業を実施した.それにより,農業集落排水施設処理水の農業への再利用の実態と特徴,さらには今後検討してゆくべき課題を,大規模公共下水道などの再利用実態と比較しつつ明確にした.これにより,「現状調査」で行っている溜池に処理水を一旦導入してから再利用する方式は,集排施設に独特の再利用形態の一つであり,溜池の適切な管理手法の確立が重要かつ急務であることなどがわかった. 「関連資料収集」は,「溜池での水質変化」「溜池内部の水質分布特性」に関する文献を中心に実施し,その知見をまとめた.
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