研究分担者 |
高橋 強 京都大学, 農学研究科, 教授 (80021707)
廣谷 博史 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70218858)
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60227022)
|
研究概要 |
平成12年度は,前年度まで行ってきた各種調査の中で,主として「現状調査」に重点をおいて研究を進展させた.すなわち,集落排水処理水を一旦溜池に流入させたり,河川水と混合して実際に水田に再利用している愛媛県1市0地区において,この溜池の水質調査等を継続した.その結果,灌漑期を中心に溜池に送水されていた処理水は,昨年度と同様,夏季には溜池内部で完全には混合しにくく,1〜2m程度の深さに滞留しやすいことが明らかとなった.これにより,処理水滞留は,毎年起こる再現性の高い現象であることが分かった.また,処理水流入口に近い水深の浅い斜面では,処理水が底部斜面に沿って流下し,そこから1〜2m程度の深さに侵入している実態も明らかとなった.本調査地区では,処理水は林地流出水と自然混合されてから溜池に流入しているが,その混合水が1〜2m程度の深さに滞留しやすい原因は,その部分の密度が,溜池に流入する混合水の密度と同じになりやすいためであることが分かった.このように混合水の密度が溜池表層部の密度より大きくなるのは,溜池表層の水温が日射により混合水よりも上昇することと,元々処理水中に含まれている溶存成分などが混合水の密度を大きくするためであると考えられた.本年度においても,この溜池の処理水を利用している水田の水稲収穫は例年どおりで,良好な水稲生育が達成されていた.また,本年度は研究最終年度であったため,研究成果を総括し報告書を作成した.
|