研究課題/領域番号 |
09460110
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)
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研究分担者 |
長谷川 紘一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (10039331)
七条 喜一郎 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50032298)
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キーワード | 湖山池 / 塩分濃度 / 養魚池 / 降水量 / 画像解析 / 高温好気法 / アオコ水 / 利水 |
研究概要 |
湖山池は鳥取市西部に位置する水面積6.88km^2、平均水深2.8m、貯水量1900万m^33の湖山砂丘背後にある潟湖である。この池も全国的な傾向と同様に昭和40年代以降、汚染が顕著となってきた。本研究は水質、漁業、流出の専門家が協力しあって、湖山池の浄化と漁業振興の道を探ることを目的としている。本研究は3年計画で、本年度はその初年度に当たる。 吉田は航空写真を画像解析し、それをもとに湖山池に繁殖している水生植物の種類と分布状態の調査を開始した。また、毎年、夏季に発生するアオコを採取し、高温好気法にて処理する研究にも着手した。 七条は湖山池の淡水漁業振興のために、3月末幼魚伺育及び産卵池の準備を湖山池湖畔で開始した。4月6〜9日に親フナ(♂15尾、♀10尾)を入手し、5月16日、産卵を認める。10月30日養魚池の稚魚を取り上げ、11月1日放流と11月4日に合計59,000尾を放流した。その平均体重は1g、体長は6〜7cmであった。なお、養魚池の水質実験は吉田が、プランクトンの発生状況調査、体長計測、養魚池の修理及び管理施設の整備については七条が担当した。 長谷川は湖山池の流出解析を行った。湖山池と日本海とは幹川長3.5km、流域面積46km^2、流域平均幅13.5km湖山川でつながっている。湖山池の利水は、農業と漁業が競合しており、灌漑期は塩分濃度を150ppm(cl-)、非灌漑期は330ppmに設定して、湖山川下流の水門管理がされており、平成9年の水質ははほぼそれを満足していた。一般に山陰東部においては、水文量のスペクトル解析等によって、その降雨原因が冬期の降雪、梅雨、秋の台風と3つあることがわかっており、湖山池水域においてもそれがあてはまる。水域上流域の双六原に降水量の観測点があり、そこでの過去10年間の平均データによると、年平均降水量が2340mm、年間変化では、1月、7月、9月にピークが見られ、4月に極小値をとっている。
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